環境リスクマネジメント・コンプライアンスの徹底

環境リスクへの対応


東芝グループでは、事業活動及び製品・サービスに関する環境管理業務において、遵法管理の徹底を進めています。

コーポレートスタフ部門は、環境関連遵法管理に関する全社方針・規程の立案・策定を行い、各グループ会社は、その方針や規程に沿い、自社事業部門・拠点が遵守すべき遵法管理項目を設定し、業務を推進しています。
更に、コーポレートスタフは、社内環境監査の場を使い、定期的に主要グループ会社・事業部・拠点による環境方針の設定状況や、関連法令や規程の管理状況についてきめ細かな確認を行っています。それにより、潜在的な環境リスクの洗い出しを行い、環境事故や法令違反の未然防止につなげています。
なお、特に重大な環境リスク案件については、法務部担当執行役を委員長とする「リスク・コンプライアンス委員会」で予防策の審議を行い、万が一環境リスクが顕在化した場合には、環境担当役員の指示のもと、直に関係するグループ会社、拠点の環境推進責任者並びに関係者が連携して防止策を講じるとともに、関係各所の再点検、再発防止策の検討を行います。

環境リスクの管理、遵法については、全社環境教育や環境監査員資格認定教育コーポレート地球環境会議などの機会をとらえ、最新の法規制動向、グループ内で起こった事故事例、各グループ会社・事業部・拠点に対する監査結果などを共有し、遵法に対する意識向上を行っています。

環境アセスメントの実施

事業の新規立地・再配置、売却、撤退、設備投資、新規原材料・薬品の使用などに際し、重大な環境影響の回避又は低減を図るため、気候変動や生態系の観点における著しい環境影響有無の把握及び法令・条例上の遵守事項に対する事前評価(環境アセスメント)を実施しています。

製品・サービスにおける遵法管理

東芝グループでは製品・サービスに関する環境関連の規制・要求事項に基づいて開発・設計から出荷までの工程を管理するとともに、取引先様のご協力を得ながら、コンプライアンスの徹底を進めています。特に化学物質については、世界各国の政策・規制の最新動向を収集・評価し、グループの化学物質管理に反映させています。

事業活動における遵法管理

東芝グループでは、管理ランクに基づいた化学物質の管理を行うとともに、関連法令に沿って、土地・地下水の浄化PCB使用機器の管理、オゾン層破壊物質の管理などを行っています。特に、大気・水域などの環境への化学物質の排出については、法律で求められる基準より厳しい自主管理値を設定し、拠点ごとに遵守しています。

オゾン層破壊物質の管理

オゾン層破壊物質の特定フロンは、工場に設置しているエアコンなどの冷媒として保有しており、その廃棄は法律に則って適切に処理を行っています。2022年度の特定フロン保有量は、13.6トンでした。2022年度のフロン漏えい量については、フロン排出抑制法に定められたフロン類算定漏えい量に関してCO2換算で1,468t-CO2となりました。今後も日常・定期点検、環境監査などを通じて管理の更なる強化を図っていきます。

法令違反の状況


第7次環境アクションプランにおいては、「環境基盤活動」の重要項目として「環境リスクマネジメント・コンプライアンス」を掲げ、製品・サービス及びものづくりの両側面でリスクを未然に防ぐための具体的な対策を推進するとともに、東芝総合環境監査システムや業績評価制度などを通じた社内遵法管理体制の構築・強化、役職・職能・専門性に応じた環境教育の実施により、更に遵法管理に努めていきます。

2022年度の法令違反・事故事例
東芝トレーディング(株)
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に関する年間輸入量の報告漏れ。