気候変動への対応

中長期目標


  • 気候変動への対応については、2050年度までに東芝グループのバリューチェーン全体でカーボンニュートラルを実現
  • 温室効果ガス排出量を2030年度までに 70% 削減2019年度比)
    -自社グループの事業活動による温室効果ガス排出量を2030年度までに 100% 削減※1(2019年度比)
    -自社グループのバリューチェーン(原材料調達・物流・販売・廃棄など)で発生する温室効果ガス排出量を2030年度までに 70% 削減※2(2019年度比)
  • 気候変動適応策に関連したビジネスの推進
  • 排出量の削減が困難なプロセスガスなどは、カーボン・クレジットの購入を含めてカーボンニュートラル化を実行。カーボン・クレジットの購入を除いた場合の目標は70%削減に設定
  • 特に排出量の大きいカテゴリ11(販売した製品・サービスの使用による排出)及びカテゴリ1(購入した製品・サービス由来の排出)を中心に削減施策を推進

2022年度の成果


  • 事業活動における温室効果ガス総排出量
    77万t-CO2
  • エネルギー起源CO2排出量原単位
    2021年度比 87%
  • 製品・サービスにおけるエネルギー供給時の温室効果ガス排出量の削減
    2019年度比 70.4% 削減
  • 再生可能エネルギー導入による温室効果ガスの削減
    5,033万t-CO2
  • 製品使用時の温室効果ガスの削減
    3,779万t-CO2

※ 2021年度からの累計

主なリスクと機会への取り組み


「環境未来ビジョン2050」及び「第7次環境アクションプラン」のもと、製品製造時や製品・サービス使用時の温室効果ガス排出量の削減、調達取引先の皆様との協働による、購入した製品・サービス由来の温室効果ガス排出量の削減を推進し、東芝グループのバリューチェーン全体において気候変動に対応していきます。また、気候変動の適応策に寄与するビジネスも推進し、持続可能な社会の実現に貢献します。

リスク 機会 東芝グループの取り組み

【移行リスク】

  • 炭素税や排出権取引制度の導入拡大、証書価格の上昇による対応コストの増加、原材料への価格転嫁
  • 再生可能エネルギー導入要請の高まりに対し、対応が遅れることによる販売機会損失

【移行リスク対策への貢献(緩和)】

  • カーボンニュートラルに貢献する技術及び製品・サービスの需要増加

【物理的リスク】

  • 台風・水害などの自然災害発生にともなう影響による操業停止や対応コストの増加

【物理的リスク対策への貢献(適応)】

  • 気候変動の影響に備える「適応策」の需要増加
リスク 機会 東芝グループの取り組み

【移行リスク】

  • 炭素税や排出権取引制度の導入拡大、証書価格の上昇による対応コストの増加、原材料への価格転嫁
  • 再生可能エネルギー導入要請の高まりに対し、対応が遅れることによる販売機会損失

【移行リスク対策への貢献(緩和)】

  • カーボンニュートラルに貢献する技術及び製品・サービスの需要増加

【物理的リスク】

  • 台風・水害などの自然災害発生にともなう影響による操業停止や対応コストの増加

【物理的リスク対策への貢献(適応)】

  • 気候変動の影響に備える「適応策」の需要増加

地球温暖化が進み気温が上昇すると、台風や洪水、竜巻などの自然災害が増え、人びとの生活や社会に大きな影響を与えます。また少雨による干ばつや、地表の氷が解け出すことによる海面上昇なども懸念されます。こうした地球温暖化による影響に対処するため、世界では2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするカーボンニュートラル実現に向けた動きが加速しています。私たちは事業活動、製品・サービスの双方から温室効果ガス排出削減に取り組むことで、地球温暖化がもたらす気候変動に対処し、カーボンニュートラルの実現に寄与することが求められています。

東芝グループでは、2050年度までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラルを実現するという目標のもと、国内外の生産工程においてエネルギー、温室効果ガスの使用量削減や、インターナルカーボンプライシング制度※1を適用したエネルギー効率の高いプロセス・設備、再生可能エネルギーの導入促進を図るとともに、カーボンニュートラル関連技術の提供、開発する製品・サービスにおける使用時の消費電力の低減を通じて、気候変動への対応を推進しています。今後は、調達取引先の皆様との協働による、購入した製品・サービス由来の温室効果ガス排出量の削減や、気候変動適応策にも注力していきます。また、「第7次環境アクションプラン」の新しい取り組みとして、リモート化・自動化・知能化などを実現する自社グループのデジタル技術を通じた温室効果ガス排出削減にも注力していきます。

気候変動の情報開示については、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)※2」の提言に賛同しており、今後も当社グループの事業における気候変動に関するリスクと機会についての情報開示に注力していきます。


気候変動問題の深刻化にともない、企業には自社の温室効果ガス(GHG)排出量のみならず、バリューチェーン全体における排出量を把握・管理することが求められています。東芝グループではGHG排出量算定に関する国際基準「GHGプロトコル」や環境省の「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」などに基づき、自社グループの事業活動による排出(Scope1・Scope2)に加え、自社グループの事業活動範囲外での間接的排出(Scope3)についてもカテゴリごとに把握・算定しています。このような定量的な把握に基づき、ライフサイクル全体を通じて効果的な取り組みを進めていきます。
カテゴリ11(販売した製品・サービスの使用にともなう温室効果ガス排出量)はバリューチェーン全体の排出量に占める割合が高いため、脱炭素エネルギー技術の開発、製品の省エネ性能向上などを引き続き推進していきます。また、カテゴリ1(購入した製品・サービス由来の排出)の削減に向けて調達取引先様との連携も進めており、今後は主要取引先様から取得したデータを活用して温室効果ガス排出量を算定していくことを検討しています。

  • GHGプロトコル(The Greenhouse Gas Protocol):世界資源研究所(WRI)と持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)が中心となり、世界中の企業、 NGO、政府機関などが参画して策定した、温室効果ガス(Greenhouse Gas:GHG)排出量の算定と報告のガイドライン
(2022年度)
分類   算定対象カテゴリ 2019年度(万t-CO2 2022年度(万t-CO2
上流 1 購入した製品・サービス 1,500 1,269
2 資本財 31 53
3 Scope1・2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 13 13
4 輸送、配送(上流) 5 3
5 事業所から出る廃棄物 1 1
6 出張 2 1
7 従業員の通勤 4 4
8 リース資産(上流)
自社 直接排出(Scope1) 32 27
エネルギー起源の間接排出(Scope2) 77 50
下流 9 輸送、配送(下流) 25 23
10 販売した製品の加工
11 販売した製品の使用 エネルギー供給製品・サービス※1 53,763 9,644
エネルギー消費製品・サービス※2 4,793 3,379
12 販売した製品の廃棄 1 1
13 リース資産(下流)
14 フランチャイズ
15 投資
合計 60,247 14,468
  • 発電プラントなど
  • 社会インフラ製品、ビル関連製品(照明機器、昇降機)、リテール&プリンティング機器、パワーデバイスなど

東芝グループは、SBT(Science Based Targets)イニシアティブから、「ネットゼロ目標」の認定(※1)を取得しました。
本認定は、当社が「東芝グループ環境未来ビジョン2050」で掲げる、東芝グループのバリューチェーン全体でカーボンニュートラルを目指す目標・取り組みが、パリ協定(※2)の目標に整合する「科学的な根拠に基づく削減目標(SBT)」であることが認められたものです。
ネットゼロ目標の中間となる2030年度までの削減目標についても目標を引き上げ、2020年度に取得したSBTの「2℃未満水準」から、今回新たに「1.5℃水準」を満たす内容として更新認定を受けました。


(すべて2019年度基準)

【長期目標】

  • バリューチェーン全体の温室効果ガス排出量を2050年度までにネットゼロ(※3)とする

【短期目標】

  • Scope1(※4)、Scope2(※5)の温室効果ガス排出量の合計を2030年度までに70%削減
  • Scope3(※6)の温室効果ガス排出量の合計を2030年度までに70%削減
  • 世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求するために、企業が中長期的に設定する科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減目標としてSBTイニシアティブが認定する。
  • 国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択された、温室効果ガス排出削減に向けた国際枠組み。
  • 1.5℃水準の削減経路に整合する割合で2050年までにグロスの排出量を90%削減し、残余排出量は大気中から炭素を除去し永久に貯蔵する。
  • 自社での燃料使用による直接排出量
  • 自社が購入した電力や熱の使用による間接排出量
  • Scope1・2以外に自社のバリューチェーン(原材料調達・物流・販売・廃棄など)で発生する間接排出量