五官で味わう

食の課題

① GHG排出量の25%は食糧関連
② CO2削減に向けて食糧分野でやるべき取り組み

きざし

① 単なる栄養補給から「味わう食事」へ
② 10の60乗通りの味を制御する調味装置

問い

限りある食糧を皆で分け合い、必要な栄養素しか得られない未来を待ち遠しい未来にするにはどうすればいい?

新しい世界観

少量の食事量で高い満足度が得られる食文化の勃興

キャプション-1  五官で味わう

2040年、食糧不足の課題が深刻化する中で、サプリメントや流動食などの効率食が一般化。食の効率化に伴う「単調化・無機質化」が懸念される一方で、技術の進歩によって「味わう」行為は生命維持を目的とした食とは切り離され「人の感覚を刺激し、心地の良い驚きや発見を提供する存在」となっていきました。
人々は口だけではなく、あえて目や鼻、皮膚を通じて何かを摂取することで、口腔摂取とは異なる味わい方を見出し、それぞれの感覚の交差点で新しい味わいの探求をはじめています。
目で味わう甘味、鼻で感じる塩味、皮膚で感じる辛味。それぞれの感覚が交わりあう先に生まれる新しい味覚の世界。効率食の傍で「味わう行為」は栄養摂取の副産物を超えて「感覚の探求」という新しい次元を拓かせています。

キャプション-2 組み合わせて使う味覚のプロダクト

味を摂取するためのプロダクトは、液体、粉末、スティック、コンタクトレンズ、パッチシール、鍼の計6種類。
味は基本味5種(甘味、塩味、酸味、苦味、うま味)に刺激(辛味、渋味)を加えた計7種類。
パッケージは紙、ガラス、植物性プラスチック等、全てが再利用可能な素材で構成されています。各プロダクト毎の主な使用部位はパッケージの表面に記載されており、ユーザーはそれらを参考に自身の創造力を働かせながら、それぞれを自由に組み合わせて使用します。
また、パッケージ裏面に記載されたARマーカーを読み取ることで、ユーザーは自身が摂取した成分の管理をデジタル上で行うことが可能です。

キャプション-3 摂取方法と器具の変化

各プロダクトをどのように摂取するかは個々人の自由ですが、この時代における粉末タイプの一般的な摂取方法は、金属の加熱用器具を用いて粉を炙り、出た煙を吸引する形式です。食事形式の変化に伴ない、調理器具やカトラリーの形状にも変化がみられます。