農作物を着る

資源の課題

ファッション分野で循環型繊維の活用が不可欠

きざし

目的に沿った植物の生産

問い

限りある資源を奪いあうのではなく、他者と協調しながら資源を循環させ、文化的多様性を確立するには?

新しい世界観

コミュニティの中で循環し、地域性が表出している資源達

キャプション-1 農作物を着る

環境問題が深刻化・顕在化し、それに対応するように人々の価値観は大きく変わりました。
あるコミュニティでは、環境問題に対する考え方がより急進的です。
できる限り加工が少なく、流通距離も短い方が良いという価値観が生活を支えています。
生活の基礎の1つである装いも変化し生産から加工、使用に至るまで現在との違いが現れています。
現在から見ると特異な価値観を持つコミュニティは、技術の発展とともにどのような生活を営んでいるのでしょうか。

キャプション-2 服を収穫する

生活するうえで欠かせない服は、遠い国で生産され、どこかの国で加工されたものである必要は無いかもしれません。
木からジャケットが獲れる。
畑からドレスが生えてくる。
自在に遺伝子操作できる技術が確立したこの世界では、植物の実の付け方や形・大きさ、繊維の形成方法等をコントロールし、食用に限らず植物の生産が盛んです。コミュニティで大事にされている種子や代々受け継がれている植物の育て方、その土地でしか栽培が難しい品種。
各コミュニティでの生育環境が服の意匠に現れます。
このコミュニティでの生活の基礎は植物を育てること。
人々は生きるために環境の変化に敏感になり、未来を見通した綿密な栽培計画が求められます。

キャプション-3 服がナマモノになる

このコミュニティでの人々の服は植物で出来ています。
人々は服を消費物・ナマモノとして扱い、冷蔵庫のような保存を目的としたクローゼットに収納しています。
服は旬となる季節を持つようになり、時節や気候の変化を人々に強く意識させることになるでしょう。
同じ価値観を共有するコミュニティ間での交流イベントや作物の収穫を祝う祭祀行事では、各地域固有の種子や栽培方法で収穫された異形な植物を纏うファッションショーのような形態となります。