もし、人類が冬眠するようになったら?

キャプション-1 もし、人類が冬眠するようになったら?

2050年。世界人口は100億人を超え、エネルギー消費の増加や森林伐採によってCO2濃度が上昇し、地球温暖化の歯止めが効かない状況となっていました。
一方で、2020年初頭に起こった新型コロナウィルスによる大規模なロックダウンによって、世界のCO2排出量は5.4%減少したと報告されています。つまり人類の活動によって今後の地球の運命が左右されるのです。そこで人類は大胆な行動を実行させます。

睡眠は、地球にやさしい ー

近い未来。人類は地球のために眠ることを選択するかもしれません。

キャプション-2 Meta Sleep Tower

多くの動物が冬眠をすることができるなら、人類にもできるはず。これは地球の環境保全のために人類が計画的な大規模長期睡眠を実行する大規模施設です。

"Meta Sleep Tower"は完全循環されたサステイナブルな設計で出来ており、人類の活動を休止させ、地球への環境負荷を限りなくゼロに抑えます。

辺境地や他の惑星移住を想定した巨大な縦穴式になっており、中央の離発着ゲートから壁面にPodが収納されます。

キャプション-3 Meta Sleep Pod

実際に長期睡眠のために入る空間は"Meta Sleep Pod"と呼ばれ、Podの規模はファミリー向け、カップル向け、シングル向けなど様々なスタイルが用意されています。

そこで長期睡眠する人々は健康的、社会的、精神面などのサポートが完備されており、眠っている間に多くの問題が解決されます。

関連する未来のきざし-1 人類の活動による環境への影響

2020年、世界中に広がった新型コロナウイルスの感染拡大によって各地の主要都市では大規模な自粛生活が強いられた。そうした中、世界のCO2排出量は5.4%減少したと報告されている。これはコロナ自粛による偶然の出来事で、経済が活発になれば再び元に戻るだろうと言われており、人類の活動によって環境への影響が左右されるということが証明されたのである。スウェーデンの研究チームによる「労働時間をたった1%減らすだけでも、年間0.8%のCO2排出削減につながる」という研究結果や、非営利団体4Day Week Campaignによる「英国では週休3日制を導入すれば年間1億2,700万トンのCO2排出削減につながる」とする報告もあり、実際に導入を目指す企業が出てきている。

【出典】
Okazaki Akiko.“「しっかり寝ることが、気候変動を食い止める」研究に注目”.IDEAS FOR GOOD.2022-08.22,https://ideasforgood.jp/2022/08/02/sleep-climate-change/,
(参照 2022-10-20).

関連する未来のきざし-2 人工冬眠技術

生命機能科学研究センター老化分子生物学研究チームの砂川玄志郎氏は、人工冬眠の実現に向けた研究で、「冬眠中は代謝が低下しているため、少ないエネルギーで生命を維持できます。もしヒトを冬眠させることが可能になれば、搬送中や症状のピーク時を省エネルギー状態で切り抜けることができて、助けられる命を増やせるはずです。」と語っている。
冬眠をしないマウスでの実験を進めており、ヒトを冬眠のような状態に誘導できる可能性があるとして、人工冬眠の実現に期待がかかる。

【出典】
砂川玄志郎.“ヒトの冬眠に挑む研究者.RIKEN NEWS.2020-12,https://www.riken.jp/medialibrary/riken/pr/publications/news/2020/rn202012.pdf,(参照 2022-10-20).