もし、ピザが空から落ちてきたら?
キャプション-1 もし、ピザが空から落ちてきたら?
長寿命化、AI/ロボティクスの発達は、人類に時間に追われることのない生活と、好きな場所で生活する牧歌的社会をもたらしました。
好きな場所での暮らしを支えているのは新しい流通です。住所に届けるのではなく、宛先の人の位置情報を取得し、直接届けます。人に届ける新しい流通は、食料供給網となり、人類を定住から解放しました。
そんな2050年もデリバリーフードは健在で、多くの人の日々の食生活を支えています。需要の高い昼時であっても、ドローンによる空輸、デリバリーフード/パッケージの変化で、効率的な配達実現しています。
キャプション-2 空輸で「落ち配」、効率的な配達とパッケージ
効率的な配達方法として、荷物を上空から落下させて届ける落下配達、「落ち配」を導入し需要に応えています。またグリッド状に荷を積むことで、積載順に縛られない配達を可能にし、フレキシブル運行を実現しています。そのため、パッケージは規格化、同一径の円筒形状となり、長さでサイズ調整を行います。
キャプション-3 多孔質構造をもつ生地で、緩衝機能と軽量化
円筒パッケージを効率的に充填するリング形状のピザは、タワー状に積まれることで、パーティーフードとして華やかさを開封時に感じさせます。サイドメニューの入ったアルミカップは下部に配置することで、重心を下げ、安定した落下配達に寄与します。
軽量化と緩衝材としての機能を持った「多孔質構造生地」、生地にはめ込まれた味のベースを決める「フレーバーポット」、3Dプリントや培養で形成された「新触感トッピング」という三層構造で多様なオーダーに対応します。
味のカスタム性、円を反復したシルエット、他人とシェアできる、等、従来のピザらしさも残っています。
キャプション-4 食事をすること、変わらないこと
2050年、どんな未来がくるか予測できないと言われている一方で、人類が多くの社会課題に直面する時代とも言われています。
どんな未来であっても、これからも食事をするということが、人と過ごす、幸せなひと時であり、味覚を楽しむ、変わらない瞬間であり続けることを祈って、このミライを想い描きました。
関連する未来のきざし-1 僻地にも届ける高度な流通システム
ドローンの流通業界における有用性は、労働力不足の解決策となるだけではなく、輸送に時間のかかる山間地や離島といった僻地への有効な配送手段としても期待が寄せられている。
日本国内の物流分野でのドローンの利用の多くが実証実験にとどまっているが、2022年末の改正航空法の施行により、有人地帯での目視外飛行(都市部等でも、補助者なしで、人の目の届かない範囲へ飛ばせる最終レベル)の解禁が予定されている。ドローンの物流市場は2025年には797億円市場へ成長すると予測する報告もあり、今後益々ドローンの多種多様な運用や技術開発が加速すると考えられる。
【出典】
青山 祐介.“ドローン物流の現状と将来展望2021”.インプレス総合研究所.2021-08,https://research.impress.co.jp/report/list/drone/501080,(参照 2022-10-25).
Josh Ballard.“Looking To The Future: 10 Jobs”.SilverDoor.2017-09,
https://www.silverdoorapartments.com/blog/looking-future-10-jobs-dont-yet-exist-will-2100-infographic/,(参照 2022-10-25).
関連する未来のきざし-2 環境負荷に考慮した新しい味覚
2040年には世界の肉の60%が、持続可能性の観点から、培養肉や植物から作られたベジミートなどの人工肉に代替すると言われている。
現在の畜産業は主な環境問題の原因のひとつとも言われおり、人類が培養肉だけを食べれば、従来の牛肉と比較して温室効果ガス排出量を74%~87%削減できるという報告もある。
培養肉は製造コストが課題であるが、べジミートでは、独自3Dプリント技術で、低価格化と従来の肉と比較しても遜色のない味を実現し、投資家から支持を得ている企業も出現している。
【出典】
THE GOOD FOOD INSTITUTE.“GROWING MEAT SUSTAINABLY : THE CULTIVATED MEAT REVOLUTION”.THE GOOD FOOD INSTITUTE.2018-10,https://gfi.org/images/uploads/2018/10/CleanMeatEvironment.pdf,(参照 2022-10-25).
井島 渚.“Novameatが約7億円を調達、独自3Dプリント技術による代替ステーキ肉製造の更なるスケール化へ”.Foovo.2022-02,
https://foodtech-japan.com/2022/02/28/novameat/,(参照 2022-10-25).