もし、過去の自分達と対話できるようになったら?

キャプション-1 もし、過去の自分達と対話できるようになったら?

2050年では、1人1人の生き方をAIがシミュレートし、提案してくれる時代になっているかもしれません。しかし、提案された選択肢の中から1つの人生を選ぶことは容易なことではありません。自分自身を理解した上で、自信をもって選択し、決断する必要があります。このような時代では、過去の自分達と対話できるサービスが浸透し、自分自身の理解や、決断の後押しをサポートしてくれるかもしれません。

キャプション-2 Dialogue with myself

「Dialogue with myself」は、過去の自分達と対話できるサービスです。
ホログラフィーを通じて過去の自分達が現実世界に登場し、まるでその場にいるかのように、あなたと対話してくれます。出生時から蓄積し続けたパーソナルデータを活用し、身体的な特徴に加え、性格や価値観といった内面的な特徴も再現されます。忘れかけていた過去の価値観や信念と触れ、真の自分らしさと向き合うことで、人生の決断をサポートします。

キャプション-3 Solos’ Camp

この時代では、大自然の中で火を囲みながら過去の自分達と対話する「Solos' Camp」が流行っています。
対話を通じて自分らしい人生を選択することが、個人のウェルビーイングを高めることになるでしょう。

40歳の自分「実は、残りの人生女性として生きてこうか迷ってるんだ。うっすら興味あったんだけどAIが提案してきたんだよね。」
32歳の自分「それ俺も興味あった。子どもが自立してくれたらありかなって。人生100年、1度くらい女性を経験してみたいよね。」
21歳の自分「そうなの!?俺は考えたことなかったな。それなら、そう思い始めた時期は20代後半の俺?ちょっと呼んでみる?」

関連する未来のきざし-1 ヒューマン・デジタルツイン

デジタルツインは、製造設備や工場などをデジタル空間上で再現し、デジタル上でのシミュレーション結果を現実世界にフィードバックする仕組みである。
ヒューマン・デジタルツインは、こうしたデジタルツインの人間への適用であり、身体的要素に加え、価値観、嗜好、キャラクター性といった人間ならではの内面的要素の再現を特徴としている。
NTTデータ経営研究所の山崎和行氏は、同社が開発したNeuroUIが脳活動データを用いた高精度予測を実現したとし、「今後、同研究がさらに進展することで、脳のモデル化、すなわち人間の内面的要素が実現されたヒューマン・デジタルツインがより現実味を帯びてくるだろう」と述べている。

【出典】
NTTデータ経営研究所 山崎 和行.“ヒューマン・デジタルツイン ~「人間のコピー」がもたらすビジネス変革~”.
情報未来 No.67(2021年6月号),https://www.nttdata-strategy.com/knowledge/infofuture/67/report05.html,(参照 2022-11-09).

関連する未来のきざし-2 デジタルクローンとのコミュニケーション

デジタルクローンP.A.I.と呼ばれるAIを開発している株式会社オルツは、自分自身の思考や価値観をデジタル上に再現したデジタルクローンの生成に取り組んでおり、脳科学者の茂木健一郎氏をモデルとしたデジタルクローンの生成に成功している。
デジタルクローンのモデルとなった茂木健一郎氏によると、「その場その場でリアルタイムに思考するデジタルクローンは、自分らしい考え方、表情や声などによって、確かに自分だと感じさせられつつも、予想を裏切るようなコミュニケーションが発生する。」とし、「自分自身のデジタルクローンと対話するという体験は、人間とは何か、個性とは何かことについて、ずいぶん考えるきっかけになるものであった。」と述べている。

【出典】
株式会社オルツ.“DIGITAL CLONE デジタルクローンテクノロジー by株式会社オルツ”.茂木健一郎氏デジタルクローン特設サイト. 2022, https://digitalclone.alt.ai/mogi,(参照 2022-11-09).

関連する未来のきざし-3 デジタルとフィジカルの境界が無くなる

KDDIは、XR(クロスリアリティ)※を活用したプロジェクトを複数推進しており、生活者に対してデジタルとフィジカルを融合させた体験を提供している。
同社は「近い将来、よりXRが進歩すれば、実物と見分けがつかない立体映像をホログラムで表示したり、モノに触れた感覚をフィードバックしたりと、SF映画のような世界も訪れるかもしれない。」とした上で、「人々の生活やコミュニケーション、ビジネスの在り方にも大きなシフトチェンジが起こるだろう。」と述べている。
※VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)等の先端技術の総称

【出典】
KDDI総合研究所 野中 敬介.“注目の「XR」(クロスリアリティ)とは?”.KDDIトビラ.2021-09,https://time-space.kddi.com/ict-keywords/20180816/2406,(参照 2022-11-09).