東芝デジタルソリューションズとClassiq Technologies、
ゲート型量子コンピューティング分野での技術提携で合意

~インダストリアル分野におけるユースケース探索とソフトウェアプラットフォーム化を推進~

2023年6月12日(月)

東芝デジタルソリューションズ株式会社
Classiq Technologies Ltd.

 東芝デジタルソリューションズ株式会社(神奈川県川崎市 取締役社長 岡田 俊輔 以下、東芝デジタルソリューションズ)とClassiq Technologies Ltd. (イスラエル テルアビブ、CEO:Nir Minerbi 以下、Classiq)は、ゲート型量子コンピューティングに関する技術提携に合意しました。

 量子コンピューターは量子力学の原理に基づいた、従来のコンピューターでは解けなかった問題や解くのに膨大な時間がかかる問題を効率的に解くことができる可能性がある次世代技術です。量子コンピューターには大きく分けて、組合せ最適化問題の計算に特化した「イジングマシン型」と、多様なアルゴリズムが実行可能で汎用性が高い「ゲート型」の2種類があります。「ゲート型」はまだ発展途上の段階ですが、将来的にはAI(機械学習)、組合せ最適化、シミュレーションなど、さまざまな分野への応用が期待されています。しかしながら、ゲート型量子コンピューティングのソフトウェア開発には、量子回路の設計・開発が必要で、高度な専門知識が求められています。

 東芝デジタルソリューションズは、量子技術について、量子暗号通信(Quantum Key Distribution: QKD) 注1や従来型コンピューターでイジングマシンを疑似的に実現する量子インスパイア―ド最適化ソリューション「SQBM+™」注2などを提供しています。また、AI技術については、東芝アナリティクスAI「SATLYS™」注3をはじめとする多種多様なAI技術と開発実績を有し、さまざまなインダストリアル分野へ適用してきました。
 Classiqは、初心者から熟練者まで、量子回路の生成、解析、実行を迅速に行うことを可能にする、ユーザーフレンドリーなゲート型量子コンピューティングソフトウェアプラットフォーム注4を提供しています。

 今回の技術提携において、東芝デジタルソリューションズは、量子やAIの技術開発で培ったノウハウを生かし、Classiqのプラットフォーム上で作成したソフトウェアを用いて量子AI注5などの技術検証を行います。そしてその結果に基づいて、東芝グループが長年の経験を持つエネルギー、社会インフラ、スマートマニュファクチャリング、さらにはカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー等の分野において、ゲート型量子コンピューティングによるさまざまな課題解決のユースケースを探索します。また、Classiqは、TDSLのインダストリアル領域でのユースケース探索を支援するとともに、ユースケースの実用化に向けたプラットフォームの最適化につなげていきます。
 両社は今回の技術提携をもとに、ゲート型量子コンピューティングのインダストリアル分野への実用化を推進し、新たな価値を創造していきます。

【東芝デジタルソリューションズ株式会社 取締役社長 岡田 俊輔のコメント】
Classiq Technologies Ltd.社と技術提携する機会を得たことをうれしく思います。Classiqのプラットフォームと、東芝の量子関連技術、AI技術、さらには長年培われたIT技術の知見を組み合わせることで、お客さまとともにQX(Quantum Transformation)による新たな社会価値を創造していきます。

【Classiq Technologies Ltd. CEO Nir Minerbiのコメント】
私たちは、世界的なテクノロジーリーダである、東芝デジタルソリューションズ株式会社と協力できることをうれしく思っています。Classiqの最先端の量子ソフトウェアプラットフォームと、東芝デジタルソリューションズの深いAI・IT知識、高度な技術的専門知識を組み合わせることで、インダストリアル分野のQXを可能にする高度な量子アルゴリズムを探索し、設計することが可能となります。

注1:量子暗号通信(QKD) 紹介ホームページ
https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/security-ict/qkd.html

注2: 量子インスパイア―ド最適化ソリューション「SQBM+」 紹介ホームページ
https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/ai-iot/sbm.html

注3:東芝アナリティクスAI「SATLYS」 紹介ホームページ
https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/ai-iot/satlys.html

注4:量子コンピューティングソフトウェアプラットフォーム「Classiq」 紹介ホームページ
https://ja.classiq.io/

注5:量子AI: 量子機械学習とも呼ばれ、量子力学の原理を利用して、データの傾向を学習し予測や分類を行う手法のこと。

  • SQBM+、SATLYSは、東芝デジタルソリューションズ株式会社の日本またはその他の国における登録商標または商標です。
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