東芝デジタルソリューションズの機械翻訳システムが
第15回(2020年)「アジア太平洋機械翻訳協会(AAMT)長尾賞」を受賞

~ NICTが開発した最新のニューラル機械翻訳エンジンの採用により、正確で自然な翻訳を実現 ~

2020年12月8日(火)

東芝デジタルソリューションズ株式会社

 東芝デジタルソリューションズ株式会社(本社:神奈川県川崎市、取締役社長:島田太郎、以下 当社)が開発した、特許庁の審査業務のための日英機械翻訳システムおよび中日・韓日機械翻訳システム(以下、機械翻訳システム)が、アジア太平洋機械翻訳協会(AAMT)が主催する第15回「AAMT長尾賞」を受賞しました。

 今回受賞した「機械翻訳システム」は、当社が長年培ってきた自然言語処理技術と、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)先進的音声翻訳研究開発推進センターが開発したニューラル機械翻訳エンジン注1(NMT)を核としてルールベース機械翻訳エンジン注2(RBMT)や統計的機械翻訳エンジン注3(SMT)を組み合わせることにより、従来の機械翻訳では難しかった正確で自然な機械翻訳を実現しています。多様な特許関連文書に対し、高精度かつ高速な応答を可能とした「機械翻訳システム」は、「特許戦略のグローバル化に伴い、特許文献を翻訳する頻度・件数は急増しており、経済的インパクトの大きな特許分野での独自方式の機械翻訳システムの実用化はまさに長尾賞にふさわしい業績と言える」として高く評価されました。

 「AAMT長尾賞」は、機械翻訳の権威である長尾真氏(AAMT初代会長、元京都大学総長、現京都大学名誉教授)の「2005年日本国際賞」受賞を記念して設立され、機械翻訳システムの実用化のための研究開発に貢献した個人あるいはグループに授与されるものです。

 当社は今後も、高品質の機械翻訳ソリューションの開発・改良を続け、グローバル化の進展に伴い高まる、企業、研究機関・官公庁の翻訳ニーズに応えるソリューションを提供していきます。

  • アジア太平洋機械翻訳協会(AAMT)について
    1991年4月に「日本機械翻訳協会」として設立、1992年に事業の拡大をめざして「アジア太平洋機械翻訳協会」と名称変更した機械翻訳に関する一般社団法人であり、欧州機械翻訳協会、アメリカ機械翻訳協会と共に機械翻訳国際連盟を構成しています。機械翻訳システムの健全な発展と社会における適切な普及の促進を図るために、機械翻訳システムにかかわるメーカー、ユーザー、研究機関等における関心のある者が情報の交換を行い、共通の問題について研究し討議する場を提供しています。また、関連学会・団体と交流し、国際的活動を行うことによって、世界のこの分野の進歩に貢献することを目的としています。

注1 ニューラル機械翻訳 Neural Machine Translation(NMT):深層学習(ディープラーニング)技術を用いた機械翻訳

注2 ルールベース機械翻訳 Rule Based Machine Translation(RBMT):辞書・文法知識に基づく機械翻訳

注3 統計的機械翻訳 Statistical Machine Translation(SMT):対訳コーパスの統計情報に基づく機械翻訳

  • 一般社団法人アジア太平洋機械翻訳協会 AAMT長尾賞
    https://aamt.info/news/nagao-2/
  • 特許庁から受注した機械翻訳システムの稼動開始について
    ~ NICTが開発した最新のニューラル機械翻訳エンジンの採用により、正確で自然な翻訳を実現 ~
    (2019年5月31日 東芝デジタルソリューションズ株式会社 ニュースリリース)
    https://www.toshiba-sol.co.jp/news/detail/20190531.htm
  • あなたの知らない機械翻訳の世界 日本の知財戦略を支える翻訳システム
    (2019年8月21日 株式会社東芝 Toshiba Clip 世の中×東芝のトレンドを紹介)
    https://www.toshiba-clip.com/detail/p=268