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東芝グループの機械翻訳技術が
第四回「アジア太平洋機械翻訳協会(AAMT) 長尾賞」を受賞

2009年6月22日
  • 株式会社東芝
    東芝ソリューション株式会社

 株式会社東芝および東芝ソリューション株式会社(以下、東芝グループ)の機械翻訳技術が、アジア太平洋機械翻訳協会(AAMT)が主催する第四回「AAMT長尾賞」を受賞しました。両社の機械翻訳研究・開発グループによる取り組みが「翻訳精度の向上に有効な表現や語彙を利用者が手間なく整備できる技術の開発により、機械翻訳の実用度を大きく押し上げる功績が顕著である」と評価されました。

 「AAMT長尾賞」は、機械翻訳の権威である長尾眞氏(AAMT初代会長、元京都大学総長、現国立国会図書館館長)の「2005年日本国際賞」受賞を記念して設立され、機械翻訳システムの実用化のための研究開発に貢献した個人あるいはグループに授与されるものです。

 東芝グループは、英日/日英翻訳をはじめとする機械翻訳技術の研究・開発を約30年にわたり継続しています。1985年の英日翻訳システムの実用化に続き、PC版の英日/日英翻訳ソフトウェア「The翻訳シリーズ」、企業向けのサーバ型翻訳システム「The翻訳サーバ」の製品化を実現してきました。その研究・開発の一環として、ユーザ辞書や翻訳メモリなど翻訳精度の向上に有効な表現や語彙を、利用者が負荷なく整備できるシステムを開発してきました。「The翻訳 2009 プレミアム」には「用例ベース自動翻訳注1」、「セレクトコーパス翻訳注2」、「2段階翻訳注3」などを搭載することにより、利用者が事前登録した文書や翻訳中の文書全体から、適切な表現や語彙を簡単に抽出することができます。

 東芝グループは今後も、機械翻訳の精度と使い勝手をより向上させる研究や人が話した言葉を翻訳する音声翻訳技術の研究の開発を継続し、グローバルでのコミュニケーションの支援や多言語間での情報共有に貢献する機械翻訳技術・商品を提供していきます。

●アジア太平洋機械翻訳協会(AAMT)について
1991年4月に「日本機械翻訳協会」として設立、1992年に事業の拡大をめざして「アジア太平洋機械翻訳協会」と名称変更した機械翻訳に関する任意団体であり、欧州機械翻訳協会、アメリカ機械翻訳協会と共に機械翻訳国際連盟を構成しています。機械翻訳システムの健全な発展と社会における適切な普及の促進を図るために、機械翻訳システムにかかわるメーカ、ユーザ、研究機関等における関心のある者が情報の交換を行い、共通の問題について研究し討議する場を提供しています。また、関連学会・団体と交流し、国際的活動を行うことによって、世界のこの分野の進歩に貢献することを目的としています。
●「The翻訳 2009 プレミアム」搭載機能例
注1 「用例ベース自動翻訳」:
登録された用例(英語の文と日本語の文のペア)を高精度な翻訳エンジンが自動的に参照し、より自然で読みやすい文に翻訳できる機能。 本機能では、登録された用例と、翻訳したい原文で使われている名詞の違いを自動検出し、過去に訳した表現や言い回しなどを使って翻訳します。

用例ベース自動翻訳図
注2 「セレクトコーパス翻訳」:
翻訳したい分野の文書(英日翻訳の場合、日本語の文書)を登録することで、登録した文書で使用されていた語句を優先して使用し、その分野に適した翻訳結果とする機能。例えば、物流関係の文書を登録すると「stock」という単語は「在庫」、金融関係の文書を登録すると「株券」が訳語として使われるようになります。

セレクトコーパス翻訳図
注3 「2段階翻訳」:
文書全体を一旦先読みしてから翻訳することにより、文脈にふさわしい訳語を選択する機能。これから翻訳する文書全体の情報を使用して翻訳します。例えば、文末近くにある「…bank of the Canal.」というフレーズから、この文書中の「bank」は「銀行」ではなく「土手」であると判断し、文書のほかの場所にある「bank」も「土手」と訳すことができます。

2段階翻訳図

The翻訳2009プレミアム

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