ニュースリリース

テラバイト級の大容量データでも高速検索できるXMLデータベース「TX1」の発売と
TX1を中核としたパッケージ型ソリューションの受注開始について


2005年4月20日 東芝ソリューション株式会社

 
東芝ソリューション株式会社(本社:東京都港区、取締役社長:河村進介)は、テラバイト級の大容量データの高速検索を実現した、XMLデータベース「TX1」を商品化し、本日より販売を開始します。さらに、本商品を中核とした業種向けパッケージ型ソリューションの受注活動も開始します。XMLソリューション市場において、今後3年間で、「TX1」1000ライセンス、「TX1」を中核としたパッケージ型ソリューションで110億円の販売を見込み、同市場でのリーダーシップの確立を目指します。

電子政府をはじめとして、電子取引、保険事務文書管理、新聞コンテンツ管理などインターネット上でのさまざまなデータ交換領域で、汎用的なデータ表現の仕組みとしてデータ構造の柔軟性を特長とするXMLの活用が進んでいます。しかし、XMLデータの格納や管理にRDBを使った場合、「データの階層構造を表形式にマッピングする必要性から設計と開発に手間がかかる」「業務変更に伴うデータ構造の変更に柔軟に対応できない」といった問題点がありました。
これらの問題点を解決する手段として、XMLデータの階層構造を保ったままの形式で格納、管理することができるXMLデータベース(以下XMLDB)が注目されています(図1参照)。しかし、従来のXMLDBでは、テラバイト級の大容量データでの検索スピードの低下が、企業の大規模情報システムへの導入時の課題となっていました。


今回商品化した「TX1」は、当社独自開発のデータ検索技術を採用することで、テラバイト級の大容量データでも高速で検索し、これらの課題を解決します。本商品は、XMLデータから構造を自動的に抽出して索引化する構造自動抽出技術「スキーマアナライザ」と、抽出した構造情報と語彙情報を統計的に分析して最適な問合せプランを生成する問合せ最適化技術「クエリオプティマイザ」を搭載しています(図2参照)。これによって、約100GBのデータ(8年分の特許公開情報、約300万件に相当)から1万件の検索結果の抽出を約1秒で行う(*1)ことができます。


さらに当社は、お客様の業務課題の解決に向けて、本商品を中核としたパッケージ型ソリューションの受注活動を開始します。今回、第一弾として受注を開始するパッケージ型ソリューションは次のとおりです。


【保険文書XMLソリューション】 2005年5月より受注開始

約款や社内規定、事務処理マニュアルなどのドキュメントをXMLで記述し、本商品で管理することで、効率的なドキュメント管理を実現するパッケージ型ソリューションです。エディタ(編集)機能、マスタ履歴管理機能、検索閲覧機能、印刷機能を提供します。ドキュメントを構成する条文(章、節など)をXML化することで、データの高速な検索が可能となります。これにより業務フローと連動した事務処理マニュアルの閲覧や、約款のオーダーメイド化など、お客様の業務革新を強力にサポートします。XMLデータの格納・検索の中核として本商品を活用することで、文書構造の変更への柔軟な対応も実現します。


【電力情報共有ソリューション(仮称)】 2005年7月より受注開始

電力会社で管理している情報を関係各所へ効率的に提供するためのパッケージ型ソリューションです。既存システムに分散している情報をXMLデータに変換し、本商品で統合的に一元管理します。用地部門での自治体への占用許可をはじめとする各種申請や、気象データなど各種機関への提供、さらに電力自由化での発電事業社への情報公開、これらの共有情報の社内業務への活用などを実現します。


【次世代新聞素材管理ソリューション】 2005年11月より受注開始

XMLを利用した新聞業界の標準データフォーマットNewsMLで記述された新聞素材(記事原稿や写真)を効率的に管理・運用するためのパッケージ型ソリューションです。記事の作成や編集時の管理、完成した記事の保管、検索や配信などを効率的に実現します。プロトタイプ版の開発と業務適用評価を実施し、新聞製作技術展(JANPS’05)で次期素材管理構想として出展を予定しています。


【コンテンツマネジメントソリューション】2005年10月より受注開始

企業内で扱う文書や画像など非定形の情報資産を効率的に管理し、社内共有・活用を実現するパッケージ型ソリューションです。社内情報共有やコンプライアンス対応など、企業内で扱うテキスト(メール、文書)やイメージなど非定型データの管理の重要性が高まる中、情報の構造や項目を自由に設定できるXMLでこれらの非定型データを記述し、管理することで、企業内の情報資産の効率的な管理と効果的な活用を実現します。

*今後、「自治体向けデータ流通ソリューション」や「特許情報管理ソリューション」なども提供を予定しています。

当社は、このようにさまざまな業種・業務に広がると予想されるXMLを、お客様事業の成長の推進エンジンととらえ、一層のソリューションの拡充を図っていきます。XMLが標準データフォーマットとして採用される業務のほかにも、データ項目の変更が多いデータや非定型データを扱う業務のシステム化といった課題にも積極的に提案していきます。

(*1) 1台のサーバ(Xeon 3GHz×2CPU,メモリ2GB)にディスクアレイ装置「ArrayFort®」を接続した場合の当社調べ



新商品の主な特長

1. 大容量データでも高速検索:
当社独自開発のデータ検索技術によって、テラバイト級の大容量データの高速検索を実現しました。XMLデータから構造を自動的に抽出して索引化し、階層構造の照合を高速化する構造自動抽出技術「スキーマアナライザ」と、抽出した構造情報と語彙情報を統計的に分析して最適な問合せプランを生成する問合せ最適化技術「クエリオプティマイザ」を搭載しています。また、全文検索のための語彙索引も実装。これらの技術で、検索対象への参照を最小限に抑え、検索速度の高速化を実現しています。

2. 高いアプリケーション開発生産性:
XMLの標準問合せ言語「XQuery」に対応しています。XMLデータの取り出しに適した標準問合せ言語で、効率的なアプリケーション開発を行うことができます。システムの設計と開発において、XMLの階層構造をそのまま格納できるので、表形式にマッピングする必要があるRDBと比較して手間がかかりません。さらに、業務の変更に伴うデータ構造の変更にも柔軟に対応できるので、アプリケーションへの影響を最小限に抑えることができます。


3. 高信頼性:
データベースに求められる信頼性を確保するための管理機能が特徴です。更新と参照の同時実行、トランザクション一貫性、リカバリ機能などを実装し、安心して運用することができます。さらに、オンラインバックアップ、データベースのインポート/エクスポートなどの運用管理機能で信頼性を高めています。
 また、当社の「ClusterPerfect®」をはじめとするクラスタソフトと組合せて、可用性の高いシステムを構築することができます。


価格・対応OSバージョン・販売時期

<Windows版>

■ライセンス価格
XMLデータベース TX1 V1 Windows版1CPUライセンス:450万円(税抜き)~

■対応OSバージョン
Windows 2000 Server(SP4)、Windows Server 2003

■販売開始時期
2005年4月20日


<Solaris版>

■ライセンス価格
XMLデータベース TX1 V1 Solaris版1CPUライセンス:675万円(税抜き)~

■対応OSバージョン
Solaris9、Solaris10

■販売開始時期
2005年7月

  • ClusterPerfectおよびArrayFortは、東芝ソリューション株式会社の登録商標です。
  • 本文中の製品名称はそれぞれ各社が商標として使用している場合があります。

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図1:XMLDBとRDBのデータ格納イメージ

図1


図2:構造自動抽出技術と問合せ最適化技術による検索イメージ

図2



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