当社は、社内の各部署に分散する知識情報や会社共通の知識情報を束ねて活用するエンタープライズユースに対応するため、複数の知識共有サーバの統合と一括検索を実現する「統合共有サーバ」機能と、「KMメニュー」(知識体系化)機能など知識情報のスムーズなアクセスを支援する機能を搭載したナレッジマネジメント支援システム「KnowledgeMeisterV3.0」を11月25日から発売します。
新製品は、「統合共有サーバ」機能により、「KnowledgeMeister」で構築した複数の知識共有サーバを束ねて管理することができ、最大10億文書まで検索可能な大規模なナレッジシステムを実現できます。これにより、大規模化する知識情報を複数のサーバに分散配置して並列検索したり、社内の各部署に分散する知識情報を一括検索したりすることが可能になります。ユーザは、各知識情報の所在を意識することなく、検索することが可能になります。
また、新製品は、「KMメニュー」機能により、複数の知識データベースを体系化してGUI画面上に一覧表示することができ、検索したい対象を容易に選択することが可能です。これにより社内の様々な部門や職種に応じた知識情報を体系化し、効率良く情報の整理や検索を行うことができ、特にエンタープライズユースにおいて有効です。
他にも、知識へのスムーズなアクセスを支援する以下の機能を搭載しました。
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「候補文」機能:質問文に対する回答文の候補がある場合に表示します。 |
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「検索ナビゲータ」機能:検索結果から質問文をさらにリファインすることができます。 |
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「検索チューナ」機能:場合に応じて広く検索したり、絞り込んで検索したり調節できます。 |
さらに、新製品は、知識処理エンジンの性能強化により、自然言語検索速度を約1.3倍*、文書登録速度を約2倍*、テキストマイニングによる知識分析速度を約3倍*向上し、単体構成での性能向上も実現しました。
当社は、新製品を当社自らが業種・業務ソリューションに組み込んで販売するとともに、システムインテグレータ及び販売会社各社による付加価値販売を通して、2004年度に400サーバの販売を目指します。
*:当社の従来製品比、当社のベンチマークテストによる。
日本における文書管理を含むナレッジマネジメント市場は、年率15~20%で着実に拡大し2005 年度には約500億円規模に成長すると言われています。そのような中、部門レベルの文書管理・ナレッジマネジメントシステムのニーズだけでなく、社内の各部署に分散する知識情報や全社レベルの知識情報を統合的に扱うことのできるエンタープライズ規模のナレッジマネジメントシステムのニーズが高まってきています。
例えば、営業活動においては、商品情報、お客様情報、他社の情報など様々な情報が必要とされ、日報や週報などの報告、お客様への提案書、キャンペーンなどの企画書などの情報が生み出されます。各地域や部門で活用してきたこれらの情報を、例えば他部門や他地域でも活用できるようにしたい、あるいは営業現場の情報やVOC(お客様のご意見)を広く集めて企画・マーケッティング部門で分析したいなど、全社レベルで情報を共有できる仕組みが求められています。
当社は、このようなニーズに応えるべく、性能と機能を大幅に強化することにより、部門ユースからエンタープライズユースまで対応した「KnowledgeMeister
V3.0」を商品化します。
1. 複数の知識共有サーバを束ね、大規模ナレッジシステムを実現する「統合共有サーバ」
「統合共有サーバ」機能は、KnowledgeMeister知識共有サーバを複数使用した検索システムを構築可能とします。統合共有サーバにより、大規模化している知識情報を複数のサーバに設置しそれらを一度に検索することや、複数部門に分散した知識共有サーバを横断的に検索することが可能になり、最大で10億文書までの大規模なデータに対する知識共有ソリューションの構築が可能になりました(参考資料図1参照)。この構成では、ユーザから見ると、あたかも1台の知識共有サーバにアクセスしているように振る舞います。
2.知識の体系化と検索支援によりスムーズな知識アクセスを可能とする「知識共有」機能
エンタープライズユースでは、企業内の部門や職種に応じて様々な情報が必要とされ、知識の体系化は活用効率の上で重要です。「KnowledgeMeister
V3.0」では、複数の知識データベースを体系化して整理することが可能です。「KMメニュー」機能により、GUI画面上に知識データベースを一覧表示することができ、検索したい知識データベースや知識データベースの集まりを検索対象として容易に選択できます参考資料図2参照)。また、知識へのアクセスを容易にする以下の新機能を搭載しました。
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「候補文」機能:入力質問文に対する回答となる文の候補が得られた場合にこれを提示します。(参考資料図2参照) |
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「検索ナビゲータ」機能:質問文と検索結果の情報からキーワードを提示・選択することで、質問文をリファインし求める知識への到達を支援します。参考資料図3参照)
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「検索チューナ」機能:質問文に含まれる単語の関連語展開の度合いを調節します。 |
3. 基本エンジンの高速化により単体構成での処理を高速化
KnowledgeMeister「知識共有」「情報収集」「知識分析」の処理エンジンの性能強化により、自然文検索速度を約1.3倍*、文書の登録速度を約2倍*、知識分析速度(テキストマイニング)を約3倍*向上し、単体構成での性能向上を実現しました。また、文解析辞書の語彙強化や知識分析におけるアルゴリズムの改良による文解析・分析精度の向上を実現しています。
*:当社の従来製品比、当社のベンチマークテストによる。
4. 業務ソリューション/既存の情報系システムとのナレッジ機能連携
KnowledgeMeister開発キットにおいて、「情報収集」,「知識共有」,「知識分析」,「文書管理」のJavaAPIのラインアップを取り揃え、システム構築工数の削減を可能としました。
本開発キットを利用することにより、新製品は、連携相手のシステムの文書情報に加えて、関連する各種の属性情報(例えば文書ステータス、関連文書情報等)を扱うことが可能となりました。これによりエンタープライズレベルの業務ソリューション(CRM,SFA,PDMなど)や既存の情報系システムとの密接な連携が容易に実現できるようになります。例えば、PDMシステム中の文書を自然言語で検索し、検索結果画面に文書のステータス情報を提示したり、文書の承認ボタンを追加して連携システムの機能を実行するなどが可能となります。
*Microsoft、Windows、Windows NT、Exchangeは米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
* Netscapeは米国Netscape Communication Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
*KnowledgeMeisterは株式会社東芝の日本における商標です。
* その他、本文中の商品名称はそれぞれ各社が商標として使用している場合があります。
<図1:統合共有サーバの構成図>
<図2:「KMメニュー」機能(説明左)、「候補文」機能(説明右)の画面例>
<図3:「検索ナビゲータ」機能の画面例>
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