年間20,000時間以上の業務自動化に貢献
効果的なRPA活用を実現した「RPA導入支援サービス」
創業以来、自動車保険、火災保険、傷害保険、海上保険などの損害保険事業を担ってきた三井住友海上火災保険株式会社(以下、三井住友海上)。多岐にわたる保険業務の効率化とサービス向上のため、長年、業務効率化に取り組んできた。さらなる効率化を推進すべく、東芝デジタルソリューションズ(以下、東芝)が提供する「RPA導入支援サービス」を採用。効果的にRPAを活用することで全国の拠点への業務効率化の拡大を実現した。
Before
営業部門ではExcel VBA(以下、VBA)による自動化が浸透していたものの、本社部門では自動化できていない領域も残っており、2018年度よりRPA製品による業務効率化を本社部門に展開。2019年度下期よりRPA導入部門を拡大することになり、取組をスムーズに進めるためにRPA導入・運用の豊富な実績と高い専門性を持つパートナーが必要となった。
After
東芝の「RPA導入支援サービス」を採用することで、自動化する業務の絞り込みから対象部門へのヒアリング、効果的な自動化ツールの選定、開発・運用基準の策定、体制の整備などにより年間20,000時間以上の時間削減(業務自動化全体で約76,000時間)に成功。特に自然災害など突発的な業務に対しても大きな成果が得られることとなった。
VBAでは実現できない領域での自動化を推進
2001年10月に、三井海上火災保険(株)と住友海上火災保険(株)の合併により誕生した三井住友海上は、損害保険業界をリードする会社だ。10年以上前から営業部門、保険金支払部門を中心としてVBAによる業務の自動化に取り組み、大きな成果を上げてきたが、本社部門の業務効率化展開のためにはVBAでは実現できない業務の自動化も推進していく必要があり、RPA※1を導入することにした。
※1 RPA: Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)
東芝の豊富な導入・運用実績と、要望に合致した提案を評価
デジタル戦略部 業務プロセス改革チーム 課長
倉本亜矢子氏
2017年の試験運用を経て、2018年から本社の一部の部署を対象にRPAによる自動化の本格展開を進めてきた中で、2019年下期に全ての本社部門への展開を開始し、さらに営業・保険金支払部門の社員が自ら所属本部の業務自動化を検討し効率化を推進するために選出された「デジタルアンバサダー」から自動化候補業務を募ったところ、多くの案件が集まった。
デジタル戦略部 業務プロセス改革チーム 課長 倉本亜矢子氏は、「RPAはノンプログラミングといわれていたこともあり、当初は内製化が前提でした。しかし、RPA導入にはシステム開発的な要素もあり、導入後は運用管理や改修なども必要となるため、システム部門出身ではない私たちには難しいことも多く、また、大量の案件のスクリーニングも必要だったため、高い専門性を持つパートナーが不可欠だと判断しました」と振り返る。
そこで、同社ではRPA導入・運用で豊富な実績を持つ東芝の「RPA導入支援サービス」を採用することとした。
丁寧なヒアリングと能動的な提案でRPA導入を東芝が全面サポート
「RPAの導入には、最初の段階で開発要件をすべて定義した上で進めるべきなのですが、開発の経験がない社員が要件定義を行っていくことは難しいのです」と倉本氏は言う。数多くの業務自動化の要望案件の中から、RPA化に適したものの見極めや、RPA化はできても自動化した効果そのものが見込めない案件の選別も難しい。そのような時でも、東芝の適切なアドバイスにより、「できないと思ったことに対しても能動的にさまざまな方策を考えてくれて助かりました。私たちにとって東芝は、なくてはならない、とても心強いパートナーになっています」と倉本氏は語る。
年間7,000時間以上の自動化を実現した業務も
RPAにより大きな効果が得られた業務に「保有契約一覧作成」と「海上保険申込書メンテナンス」がある。
これまで大企業担当の営業社員は、企業が契約している保険契約の内容の分析から新たな提案作成までを手作業で行っていたが、この「保有契約一覧作成」にRPAを導入することにより、グループ企業ごとに保有する保険契約一覧のダウンロードと詳細な契約のマッピングまでを容易に実施できるようになり、提案作成までの業務の大幅な効率化につながった。このロボットを全国に横展開した場合、年間5,000時間以上の削減効果が見込める。
また、企業は輸出入の貨物に海上保険をかける。その保険契約のほとんどはオーダーメイドで、海上保険申込書も案件ごとにカスタマイズされている。「海上保険申込書の作成作業には多くの手間がかかっていました。この「海上保険申込書メンテナンス」にRPAを導入することにより、海上保険申込書の作成業務が年間約7,600時間削減でき、お客様への保険証券提出までの時間も短縮できました」と同チーム 課長代理 徳永加奈子氏は語る。
デジタル戦略部 業務プロセス改革チーム 課長代理
徳永加奈子氏
RPA管理ツールを導入し、さらなる全国展開へ
同社では、東芝のサポートにより一定規模の自動化が進んでいる。さらなる全国展開を実現するために、RPA管理ツール「UiPath※2 Orchestrator」の導入を決定した。基盤には迅速な立ち上げと安定運用を実現するためアマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用し、Amazon EC2※3およびAmazon RDS※4上にUiPath Orchestratorを構築する。
この導入により、これまで本社を中心に一部でしか扱えなかったRPA端末が全国展開可能となり、各地の営業部門でのRPA化を大きく推進していく計画だ。
多岐にわたる保険業務の効率化とサービス向上を目指す同社の取り組みを東芝は「RPA導入支援サービス」と、クラウドの運用をトータルでサポートする「マネージドサービス for AWS」の両輪で支え続けていく。
※2 UiPathはUiPath社の米国およびその他の国における商標です。
※3 Amazon Elastic Compute Cloud、※4 Amazon Relational Database Service
SOLUTION FOCUS
各導入フェーズでRPAによる業務自動化に取り組まれているお客さまの課題を解決し、RPA導入を加速し、
さらに効果を上げるための支援サービスを提供します。
これから導入を検討されているお客さまからすでに導入されているお客さままで、
ご要望に応じた支援を提供します。東芝の豊富なノウハウを生かしてスムーズなRPA導入が可能になります。
東芝のマネージドサービスAlbacore™は東芝の幅広い事業領域で培った運用経験に基づき、最新のクラウド、IoT、AI、OSS等のテクノロジーを取り込み、成長し続けるお客さまのビジネスに貢献する運用サービスです。
東芝マネージドサービスAlbacore™のラインナップの一つであるマネージドサービス for AWSではAWS(Amazon Web Services)認定パートナーとして、クラウドシステムの実現において必要とされる企画から設計・構築、運用までをワンストップで提供します。ICTシステムの維持・メンテナンスにとどまらず、システムの更新や利用状況に合わせた最適化を支援し、継続的な改善を実現します。
この記事の内容は2021年3月に取材した内容を元に構成しています。
記事内における数値データ、社名、組織名、役職などは取材時のものです。
COMPANY PROFILE
会社名
三井住友海上火災保険株式会社
設立
1918年10月
代表者
取締役社長 社長執行役員 舩曵 真一郎
(代表取締役)
本社所在地
東京都千代田区神田駿河台3-9
事業概要
損害保険業、他の保険会社の保険業に係る業務の代理または事務の代行、債務の保証、確定拠出年金の運営管理業務、自動車損害賠償保障事業委託業務