ビルの大規模センサデータからディープラーニングで非定常を検知
2013年10月に開所した東芝スマートコミュニティーセンターでは、35,000のセンサなどが、空調、照明、エレベーターなど様々な設備を効率的に運用するために使用されています。しかし、これだけ大量のセンサが存在すると、その非定常原因を見つけるのも大変な労力が必要となります。
そこで、ディープラーニング一手法であるオートエンコーダー(図1)(図1)を活用し、大量のセンサデータから自動的に非定常状態を検出し、その要因を推定する技術を開発しました。オートエンコーダは、自己符号化器とも呼ばれているニューラルネットワークで、入力データを圧縮し、より少ない誤差で再現させるように学習します。学習用の非定常データがなくとも、大量の定常データがあれば学習が可能です。定常状態であれば、入力データに近い出力データが得られ、学習データと異なる特徴を持つデータが入力された場合は、出力データが入力データと大きく異なります。この性質を利用して、非定常状態が検知可能となります。また、入力データと再構成される出力データの関係から、容易に非定常の要因を推定することができます。(図2)(図2)
本活動は、デルテクノロジーズと共同で提案し、2016年にIndustrial Internet Consortiumに承認された、ディープラーニングを活用したIoTのテストベッド「Deep Learning Facility」の活動として実施しました[1][2]。大量のデータを扱う場合に、学習時間を短縮する要求がありますが、デルテクノロジーズの超高速なストレージ技術と、当社の高速並列分散処理技術を組み合わせて、高速な学習処理を実現しました。