王 蘭・牧野 重幸・村山 廣 スマートグリッド関連技術の普及や国内電力完全自由化に向けて,異なる電力システム間の情報交換がより頻繁に行われるようになってきた。異なる電力システム間のデータ交換を実現するため,電力システムが共通して利用できるUML(Unified Modeling Language)を用いた共通情報モデル(CIM:Common Information Model)がIEC(国際電気標準会議)により構築されている。 東芝は,従来の標準CIMの,要素ごとにバージョン管理ができない,モデルとデータを統合して編集できないなどの問題を解決するため,国際規格IEC 62656-3を提案し,表形式を用いた標準データモデル(パーセルCIM)を構築した。またこの技術を応用して,標準CIMに準拠したDB(データベース)を設計,構築,及び保守するためのフレームワークparcimoserを開発し,当社の送配電SCADA(Supervisory Control and Data Acquisition)・EMS(Energy Management System)プラットフォームに搭載した。これにより,このプラットフォームは標準CIMにも対応でき,複数ベンダーの既開発品が共存する電力システムへの適用が可能になった。