生産技術において,製品の設計段階で製造性を考慮するDFM(Design for Manufacturability),更には調達から,輸送,据付け,運用,保守までも考慮する製品設計,すなわちDFX(Design for X)で様々なシミュレーションが用いられている。これはシミュレーションにより製品を仮想的に生産することで,設計・製造プロセスの最適化を論理的かつ効率的に進めることができるためである。 東芝における生産技術では,製造ラインの最適化から,加工,組立て,評価,検査といった製造プロセスの最適化まで,シミュレーションが重要な役割を果たしている。
近年のノートPC(パソコン)やタブレットは,複雑な機構構造やスタイリッシュなデザインを実現するため,内蔵アンテナの設計は非常に複雑になっている。とりわけ,第3世代(3G)や第4世代のLTE(Long Term Evolution)による高速通信を各国でサポートするには,カスタム設計によるアンテナの高性能化が欠かせない。 東芝は,ノートPC及びタブレット用に,高性能でチューニングが容易な独自のアンテナ実装技術を開発した。この技術をPortégéシリーズやTecraシリーズなど,海外向けラインアップに広くすばやく適用することで開発効率を上げている。
R&D最前線
■ユーザーの好みを学習して適切な暖房温度に設定する省エネ住宅(222KB/PDFデータ)
今原 修一郎
無理のない範囲で省エネを実現する許容温度推定技術 家庭の省エネを支援するHEMS(Home Energy Management System)は,その多くが消費電力の見える化によりユーザーに省エネを促しますが,しだいに電力モニタ画面を見なくなることが多いため,省エネの継続的な実現には課題があります。東芝は,機器を制御して省エネを行う取組みを進めており,ユーザーごとの好みの違いを把握して無理なく継続できる省エネの実現を目指しています。 今回当社は,普段の暖房の使い方を学習し,許容可能な範囲に暖房温度を下げることで省エネを実現する許容温度推定技術を開発しました。