近年,オープンソースと呼ばれるソフトウェアと,その開発形態が普及してきた。オープンソースでは,誰でも自由に使用したり改良できるライセンスの下で,世界中の開発者が協力してソフトウェアを開発し,そのソースコードは無償で公開される。企業がこれらオープンソースソフトウェアを利用する場合,ただ単に利用するだけでなく,オープンソースソフトウェア開発への貢献が求められる。 東芝は,Linux(注1)のIPv6(Internet Protocol version 6) IPsec(Security Architecture for the Internet Protocol)ネットワークスタック,Linux IPv6用パケットフィルタプログラム,及びLinuxとBSD(Berkeley Software Distribution)系OS(基本ソフトウェア)のIPsec用暗号鍵交換プログラムの三つのコンピュータネットワークにかかわるオープンソースソフトウェア開発に参加し,これらのソフトウェアの普及に貢献した。
光ファイバをセンサとして用いる光CT(Current Transformer)は,小型軽量で絶縁特性に優れ,交流電流はもとより直流電流も高精度に計測できる。直流送電(HVDC:High Voltage DC transmission)システムは,DC250 kVという高電圧主回路の直流電流を検出するため直流CT(DCCT)を多数用いており,光CTの特長を生かすことのできる適用分野である。 東芝は,HVDCシステムのケーブル保護用として光計測の特長を生かした光CTを開発し,電源開発(株)北海道・本州間電力連系(以下,北本連系と略記)設備の古川ケーブルヘッドにおける実フィールド試験検証を経て,2009年度中に商用器の製造に着手する予定である。