1960年代後半から数多く設置された電力用変圧器は,現在,その半数以上が設計寿命の30年を超えており,今後,電力用変圧器の更新の増加が予想される。電力用変圧器の更新には,輸送制約の克服,設備停止期間の短縮,及び環境に対する配慮などが必要である。 東芝は,これらのニーズに応えるために,ASA(Advanced Site Assembly)変圧器を適用した更新技術を開発した。分解輸送のため様々な輸送事情の変化に対応でき,変電所の運転停止期間の短縮や既設変圧器の一部流用も可能で,更に,二酸化炭素(CO2)排出量も削減できる。
環境やエネルギー問題解決のため二次電池を応用した車載用電源の重要性が増すなか,とりわけハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)用電池の市場は急激に拡大している。 東芝は,HEV用の高出入力性能,長い耐久寿命,及び優れた安全性を兼ね備えた新型二次電池SCiBTMを開発した。このHEV用SCiBTMは,熱安定性の高い微粒子のチタン酸リチウム(LTO)負極とマンガン正極を用いることで,20~80%の広い充電率(SOC:State of Charge)範囲で2,600W/kg以上の高い出入力性能を持っている。また,低温(-40 ℃)から高温(60 ℃)の広い温度範囲において,マンガン正極の溶解劣化が抑制されることやLTO負極上での金属リチウム析出がないことから,耐久寿命特性に優れている。このような特性からSCiBTMをHEV用電源に適用すれば,少ないエネルギー量(電池容量)で高い出入力密度を引き出すことができ,HEV用電池の小型・軽量化が可能となる。