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表紙イメージ 01 2005VOL.60.NO.2

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特集1:最新の原子力プラント技術
巻頭言 エネルギーの安定供給と地球環境のために 本文PDF(140KB/PDFデータ)
佐々木 則夫

TREND 原子力プラントの最新技術動向 本文PDF(432KB/PDFデータ)
須藤 亮
東芝は,原子力プラントの安全・安定運転の確保や経済性向上の観点から,運転中のプラントに対しては高経年化対応と生涯発電量の増大技術の開発を,また,新規に建設するプラントではいっそうの経済性向上はもとより,革新的安全システムを確立した世界最高レベルの次期・次世代炉の開発を推進しており,このために,多様なニーズに対応した最先端の要素やシステム技術を開発している。また,サイクル・バックエンドでは,次世代燃料サイクルの実現と環境負荷低減のための循環型社会成立に向けた廃棄物の発生抑制,再利用,再資源化に向けた技術開発,更には,超電導応用技術や将来の原子力の多目的利用に向けた原子力水素製造システムなどの先端技術開発に取り組んでいる。

軽水炉の建設 本文PDF(392KB/PDFデータ)
志賀 重範/ 前川 治/ 永井 公夫/
東芝が建設を担当した中部電力(株)浜岡原子力発電所5 号機が2005 年1月に営業運転を開始した。世界で3 機目の改良沸騰水型原子力発電所(ABWR)である。また,東北電力(株)東通原子力発電所1号機は既に燃料装荷を完了し起動試験を進めている。当社はこれらのプラントの建設経験を生かして海外展開の準備も進めている。

次期・次世代原子炉 本文PDF(516KB/PDFデータ)
塩入 章夫/ 鈴木 茂/ 藤井 敏浩
東芝は,沸騰水型原子力発電所(BWR :Boiling Water Reactor)におけるこれまでの豊富な設計及び建設経験を元に,次期プラント建設に向けてABWR (Advanced BWR)の洗練化を推進している。原子炉系及びタービン系の新技術の適用による経済性の更なる向上や,モジュール化工法を用いた建設工期の短縮を図るとともに,出力ニーズの多様化に応えて80 ~160 万kW 級の出力ラインアップを計画している。
また,2010 年代後半に建設される次世代原子炉としては,大型集中電源としての次世代ABWR (ABWR- II,AB1600及びAB1000),柔軟立地を目指し大型炉並みの経済性を備えるコンパクトPCV 中小型BWR (CCR),高効率プラントを目指す超臨界圧水冷却炉(SCWR),分散電源としての小型高速炉(4S)など,国内外のニーズの多様化に向けた開発を行っている。

原子力プラントの統合保全 本文PDF(480KB/PDFデータ)
岡村 潔/ 高橋 玲樹/ 田中 一彦
東芝は,運転を開始してから30年前後経過するプラントをリューアルするとともに,出力の増加改良を行う“プラント統合保全”の実施により,既設の原子力プラントの信頼性と経済性を向上することを提案している。
電力自由化が本格化するなかで,定格熱出力一定運転の実施でいっそう安定したベースロードを担うようになった原子力プラントは,これまで以上に安定運転(稼働率向上)と性能向上が望まれている。
一方,わが国の原子力プラントは運転開始以来30余年が経過し,今後の安定運転確保に向けた主要機器の保全強化の策定が求められる時期を迎えており,プラント統合保全はこの顧客ニーズに応えるものである。

原子燃料サイクルと先進バックエンド技術 本文PDF(456KB/PDFデータ)
山口 伸一/ 豊原 尚実/ 芝野 隆之
原子力発電を安定して推進するためには,原子燃料サイクルを早期に完結させるとともに,廃棄物に対しては,発生源から処理・処分に至るまで,一貫した整合性と経済性を持った対策が重要である。
東芝は原子力総合プラントメーカーとして,ウラン試験が開始された日本原燃(株)六ヶ所再処理工場の建設と試運転に積極的に参画するとともに,よりいっそうの資源の有効活用と環境負荷の低減を目指し,先進的な原子燃料サイクルの実現に向けたバックエンド技術の開発に取り組んでいる。

原子力水素製造システム 本文PDF(352KB/PDFデータ)
尾崎 章/ 久保田 健一/ 山田 和矢
東芝では,将来のエネルギー源として注目されている水素を,原子力エネルギーによって製造するための研究開発を行っている。軽水炉の250 ℃程度の低温熱源を使う場合にはジメチルエーテル(DME)の改質を,ガス炉や高速炉の500 ℃以上の熱源には高温水蒸気電解法を,更に900 ℃を超える高温が得られる高温ガス炉には水の熱化学分解法の一つであるIS (Iodine- Sulfur)法を,それぞれの水素製造方法として選定した。
DME 改質は高性能触媒の開発,高温水蒸気電解法はセル開発,IS 法は反応効率向上と材料開発に重点を置いている。


特集2:ブロードバンド時代におけるインターネット社会の新通信技術
巻頭言 ユビキタスネットワーク社会の実現に向けて 本文PDF(116KB/PDFデータ)
真崎 俊雄

TREND IPプラットフォーム上の通信新技術の動向 本文PDF(420KB/PDFデータ)
白川 雅一
IP (Internet Protocol )はコンピュータ相互通信用の仕様であったが,最近は,音声やデータ通信だけでなくマルチメディア通信にも応用できる,高速で低価格な通信ネットワーク実現の鍵として期待が高まっている。そのため,IP 技術の革新はとどまるところを知らず,従来は通信ネットワークの品質設計の点から採用に慎重であった公衆通信事業者までが,次世代通信インフラストラクチャ構築の不可欠な要素として,IP 技術の利用を真剣に考慮するようになった。
今後は,家電製品を含むあらゆる場面に応用できるように,IP アドレスの拡張や通信ネットワークの信頼性向上に向けた努力が行われるであろう。

VoIPシステム -SIP技術によるIPネットワーク電話システム 本文PDF(856KB/PDFデータ)
町田 淳/ 森 俊樹/ 落合 民哉
IT (情報技術)化の進展と通信技術の高度化により,音声をIP (Internet Protocol )パケット化し汎用サーバと汎用コンピュータネットワークを利用して音声通信を行うVoIP (Voice over IP )システムが注目され,経済性やコンピュータネットワークとの親和性の観点からニーズが高まっている。東芝では,これらのニーズに対応するため,電話システム市場で高い実績を持つ米国アバイア社のサーバを使用して中規模から大規模のオフィス向けVoIP システムを開発した。
このシステムでは,標準方式として注目されているSIP (Session Initiation Protocol )技術を用いたほか,サーバシステムの高信頼化を行い,経済的で信頼度が高く柔軟性にも優れたシステムを実現した。

高機能無線LANアクセスポイントWA- 7000 本文PDF(344KB/PDFデータ)
鈴木 康一/ 渡邉 博之/ 落合 民哉
無線LAN は無線を媒体として使っているために,これまで有線のネットワークに比べて盗聴や侵入の可能性が指摘されていた。近年,認証や暗号化技術の発展に伴い高いセキュリティが実現可能となり,企業のオフィスなどでも急速に導入され始めている。今後更に発展するためには,高いセキュリティを確保しつつ,高機能化が求められている。このようなニーズに応えるために,セグメント分けされた複数のネットワークを収容することができ,更に音声・映像などリアルタイム性の高いデータを効率よく伝送することができる無線LAN アクセスポイントWA- 7000 を開発した。
これらの機能により,企業の求めている新たなアプリケーションを提供することが可能となった。

通信事業者向けIP変換システム 本文PDF(316KB/PDFデータ)
鈴木 宗之/ 長島 宏彰/ 山本 敬治/ 渡部 伸昭
急速なIP (Internet Protocol)技術の進歩により,固定電話・携帯電話事業者は,共に通信のインフラとしてIP 網を利用したネットワークの再構築を促されている。PHS(Personal Handyphone System)においても高速データ通信の需要増に備え,従来の仕組みにとらわれない独自のネットワーク構築を求められている。そこでわれわれは,通信事業者と共同でIP 変換システムを開発し,ISDN (Integrated Services Digital Network)網を利用せずに,IP 網を利用したデータ通信や音声通信を実現した。主要なハードウェアは冗長化を図り高信頼性を実現し,更に,装置の集中監視制御を可能にした。今後も各種機能の強化を継続し更なるシステムの充実を図る。

DVD over IPTMシステム
 -映像ネットワーク配信システム
 本文PDF(332KB/PDFデータ)
栗原 伸一/ 海野 裕明/ 伊藤 博明
インターネットのブロードバンド接続が急速に普及してきている。これにより映像コンテンツの配信サービスが現実的なものとなってきた。サービスを実現するためには,十分強力なコンテンツ保護,安価でスケーラブルな配信サーバシステム,安価で使いやすい端末機器などが重要である。東芝は,コンテンツ保護にCPRM (Content Protection forRecordable Media)技術を用い,サーバは鍵センターと配信センターを分離,機器は当社のDVDレコーダRD- X4をベースとしてソフトウェアのみで対応できるシステムを開発することによって,これらの要求を満たす映像ネットワーク配信システムDVD over IPTM システムを実現した。このシステムを用いてトライアルサービスを開始している。

フルIP対応映像監視システム 本文PDF(300KB/PDFデータ)
山口 修一
カメラによる映像監視システムでは,監視業務の情報収集力向上と省力化の目的から,より広域にわたるシステムを構築することが求められている。IP(Internet Protocol)技術の普及とインフラとしての整備が進み,映像監視システムもIP化することで,より容易にそれらを実現することが可能になってきた。このシステムでは,映像をMPEG-2(Moving Picture Expert Group- phase 2)で符号化しマルチキャスト配信することで,高画質の映像伝送のIP 化を実現した。また,システムを構築し管理するためのアプリケーションフレームワークを開発し,様々なシステム構成に柔軟に対応でき,容易な操作性とともにシステム構築自体の容易化と短期化を実現した。

ネットワーク対応型デジタルビデオレコーダDR2016 本文PDF(388KB/PDFデータ)
鳥海 吉嗣/ 似内 保之/ 山口 徹
映像監視セキュリティシステムの重要性は最近特に高まりを見せている。多様化する犯罪及び事件において防犯カメラのとらえた映像が解決に威力を発揮することも多くなってきており,また証拠としての有用性だけではなく犯罪を未然に防ぐ防犯面での効果も高く認知され始めている。また,情報漏えいや事故は企業生命を左右する大きなリスクとなってきており,社会に与える影響も従来の比較にならないほど大きい。こうして発展を続けている映像監視セキュリティ市場において,映像記録装置はデジタル化による高機能化及びネットワークとの融合により,無人エリアの遠隔監視・業務支援システムなどへの利用が求められ始めている。
東芝は,これらの多様な要望に応えるため,ネットワーク対応型デジタルビデオレコーダを中心とした高機能なネットワーク映像監視ソリューションを開発した。


一般論文
国内向け CDMA2000 1xEV-DO方式携帯電話W21T 本文PDF(328KB/PDFデータ)
青砥 邦彦/ 池田 克彦/ 福元 勇二
au は,2003 年11月から,携帯電話とパソコンを対象にCDMA2000 1xEV-DO(EVolution Data Only)方式の通信サービスを開始している。このサービスは,最大2.4 Mbpsの下り通信速度を実現し,大容量コンテンツの提供が可能である。携帯電話で大容量のコンテンツをダウンロードするためには,コンテンツの高速処理技術と,大容量コンテンツを数多く保存するための外部メモリ(miniSDTM(注1))機能の充実が必要である。
今回,東芝としては初めて,CDMA2000 1xEV-DO方式の国内向け携帯電話W21T を開発した。W21Tは,大容量コンテンツの処理を実現するために様々な技術を搭載している。また,au が2004 年11月からサービスを開始した着うたフルTM(注2)にも対応しており,マルチメディア機能を充実した携帯電話である。

ノンフロンthe 鮮蔵庫GR-NF417G 本文PDF(328KB/PDFデータ)
佐伯 友康/ 谷口 一寿/ 藤井 加奈子
冷蔵庫に対するユーザーニーズを調査すると,常に“省電力”と“食品鮮度”が上位を占めており,東芝は,特にこの2 点に力を入れて商品開発を行っている。省電力については,2003年度もDSP(Digital Signal Processor)ベクトル制御と真空断熱パネルを採用することによって性能向上を図っている。一方,食品鮮度については,1998年度製品にツイン冷却システムを搭載以降,技術改良を重ねることによって市場で高い評価を得ている。
そこで2004年度は,更なる省電力化を進めるために“アルミナ蒸着真空断熱パネル”や“コンプレッサの効率改善”などを採用するとともに,食品鮮度については冷凍食品の霜を防止する“霜ガード冷凍室”を搭載した冷蔵庫,“ノンフロンthe 鮮蔵庫”GR-NF417Gを商品化した。

角形蛍光ランプ“ネオスリムZスクエアTM”と応用照明器具 本文PDF(328KB/PDFデータ)
西村 潔/ 杉下 直樹/ 柳田 光次
蛍光ランプの常識を覆す角形蛍光ランプ“ネオスリムZスクエアTM”と応用照明器具を開発した。角形化によって放電長が直管形蛍光ランプの約4倍に延長され,発光効率が従来比113~120 %に改善した。更に,ガラスと蛍光体層の間に設けた金属酸化物層によって水銀侵食による光束低下が抑制され,15,000時間の長寿命化が達成された。施設照明器具“ネオグリッドTM”は,オフィスビルで普及の進む格子形システム天井に適合し,方向性のない器具デザインと配光によって自由な器具配置が可能となった。更に,高反射率の塗装溶融亜鉛メッキ鋼板の採用によって,器具光束は従来比125%(5,460lm)に向上した。住宅照明器具“ネオスリムVスリムスクエアTM”は,明るく開放的な住空間づくりを目指し,側面開放構造による新配光を採用した。照度分布の計算から天井面への放射が増加し,部屋の隅々まで明るくなることが示された。

ICタグ技術を活用したパソコン資産管理システム 本文PDF(368KB/PDFデータ)
秋元 誠
生命保険業界においては,営業職員及びFP(ファイナンシャル プランナー)に数万台規模のパソコン(PC)を携帯させて顧客管理,生活設計,保険設計を行う営業支援システムが,幅広く定着している。今回,三井生命保険(株)は,営業支援システムとして14,800台のモバイルPC(ペットネーム:M-boyl(注1))を東芝から導入したが,その運用にあたり,三井生命保険(株)とエムエルアイ・システムズ(株)では,営業職員の入退社管理に伴うモバイルPCの効率的な資産管理の実現が経営課題の一つとして上がっていた。
東芝ソリューション(株)は,この課題を解決するために,RFID(Radio Frequency IDentification:無線による自動認識技術)を活用してモバイルPCの出荷管理,入出庫管理を行うシステムを開発した。ICタグ活用技術はユビキタス時代のキー技術であり,この技術を取り入れた今回の開発システムを導入することで,効率的かつ正確な資産管理が可能となり,三井生命保険(株)とエムエルアイ・システムズ(株)のシステム運用コスト削減に貢献することができた。

エントリー高性能IAサーバMAGNIATM 3400/3405R 本文PDF(316KB/PDFデータ)
大野 哲朗/ 竹山 英俊/ 古谷 泰輔
Intel®(注1)のEM64T(Extended Memory 64bit Technology)に対応したXeonTM(注2)プロセッサを搭載したエントリークラス2ウェイIAサーバ“MAGNIATM 3400/3405R”を開発した。MAGNIATM 3400ではタワーとラックマウント両用,MAGNIATM 3405Rはラックマウント専用の筺体(きょうたい)の中に高性能,高信頼性,高拡張性が凝縮されている。従来,上位クラスの機能であったメモリ冗長機能も取り込み,高信頼性機能をより強化している。更に,東芝独自開発のRAID(Redundant Array of Inexpensive Disks)コントローラやシステムのセットアップツール,運用管理ソフトウェアの提供により,多様なニーズに応えるエントリークラスのサーバとなっている。


R&D最前線
次世代ストレージを切り開く垂直磁気記録HDD技術 本文PDF(180KB/PDFデータ)
田中 陽一郎
ユビキタス世界を豊かにする小型大容量ストレージ
小型・軽量で大容量データの記憶を可能とする次世代HDD(ハードディスク装置)を開発しています。いつでも,どこでも必要な情報を持ち運びアクセスすることができるユビキタス世界が現実のものとなりました。
この環境のなかで,将来の小型大容量ストレージの重要な役割を担う技術として,高密度記録性能とデータ安定性を両立させることができる垂直記録技術がおおいに期待を集めています。この記録方式により,200 Gビット/in2以上の高密度記録が可能になり,大容量ムービーを気軽に持ち運ぶポータブル機器が実現できます。