お客様満足の向上

お客様の声をすべての発想の原点とし、直接の接点である営業やアフターサービスだけでなく、開発、設計、製造、品質、スタフなど全部門の東芝グループ従業員がお客様の視点で活動することにより、お客様満足(CS)の向上をめざしています。

2022年度の主な成果

  • 「お客様満足向上月間」を設定し、東芝グループ従業員にCS教育、講演会などの各種施策を実施

東芝グループCS推進方針


東芝グループでは、「お客様の声をすべての発想の原点とし、お客様にご満足いただける製品、システム、サービスを提供」することをCS推進方針としています。

東芝グループCS推進方針


東芝グループは、お客様の声をすべての発想の原点とし、お客様に満足いただける製品、システム、サービスをご提供します。

  1. 安全で信頼される製品、システム、サービスを提供します。
  2. お客様からのご要望、ご相談に誠実、迅速、かつ的確にお応えします。
  3. お客様からの声を大切にし、お客様にご満足いただける製品、システム、サービスの開発、改善を実現するよう努力します。
  4. お客様に、製品などに関する情報提供を適切に行います。
  5. お寄せいただいたお客様の個人情報を保護します。

同様の内容は、「東芝グループ行動基準 2. お客様の尊重」のなかに定めています。
 

CS推進体制


CS推進方針に基づく横断的な活動を行うため、テーマごとのワーキンググループ(WG)と、施策を決定するアフターサービス向上委員会を設置しています。

CS推進体制

お客様相談窓口

東芝グループでは、製品、サービス別のコールセンターを設置しています。それぞれのコールセンターでは独自の目標を定めて、応対・サポートの品質向上に取り組んでいます。
国内の東芝グループでは「東芝総合ご案内センター」を設置し、国内外の製品・サービスなどに関するお問い合わせに対応しています。また、専門コールセンターの案内や担当部門への引き継ぎなど、グループ全社を横断したサービスをお客様へご提供しています。
「東芝総合ご案内センター」では、自然災害や障害などの発生時でも、機能が停止することのないよう臨時窓口を用意しています。

東芝総合ご案内センターお問い合わせ内訳(2022年度)

国内東芝グループのコールセンター体制

お客様の声の共有・反映


東芝グループは、日常の営業活動、修理・サービス活動や電話・インターネットを通じていただいた、製品やサービスに関する苦情やご意見・ご要望を関係部門で共有し、製品の品質改善や修理サービスの向上に活かしています。

活動事例: 研修とショールームの機能を備えた研修棟の活用


東芝エレベータ(株)では、東芝府中事業所内において、昇降機やビルファシリティー設備の保守サービス及び、据付工事などに関する技術員の研修、並びにショールームの機能を備えた新しい実機研修棟を2013年に竣工しました。近年増加している高速エレベーター専用の保守技能向上を図るために高層昇降路を設け、高速領域で安全性や快適性を維持するための実機研修を実施しています。
この棟内には研修設備のほかに、エレベーターの安定稼働を支える東日本サービス情報センターを置いています。同センターは、東芝製エレベーターの遠隔監視からビルファシリティー設備の監視までを24時間365日の体制で行っているほか、携帯端末を活用した保守支援システムにより、万が一の故障発生時や大規模地震発生時に、迅速な復旧ができる体制を構築しています。

東芝エレベータ(株)
東日本サービス情報センター

活動事例: 24時間365日体制でサービスを提供


紙幣処理機器、ID発行機器、駅務機器、物流・郵便機器、セキュリティ機器など社会インフラシステム機器の保守サービスを担当している東芝自動機器システムサービス(株)では、24時間365日対応のサービスネットワークで、国内をはじめ、海外では約20か国のお客様をサポートしています。コールセンターは、オペレーターの業務環境面を考慮したレイアウトにしています。
また、現場経験者が多数在籍しており、その現場経験がお客様満足度向上につながるように、日々の業務品質向上に努めています。

東芝自動機器システムサービス(株)
フィールド統括本部 コールセンター

活動事例: 見せる化でお客様に選ばれるコンタクトセンターをめざす


東芝ITサービス(株)では、2022年1月にコンタクトセンター機能を東京都府中市から神奈川県横浜市の新子安に移転しました。ビジネスの現場におけるお客様のニーズに合ったサポート提供のため、一括窓口と障害窓口を用意して、業務システム、ストレージ、ネットワーク、サーバなど多種多様な製品のサポートを行っています。円滑なサービスの実現にあたり、新子安事業所にアフターサポートに関わる技術者を集結させて技術支援の拠点としました。更にサービスの見せる化として、見学の際に、電話応対から保守員派遣、現地技術支援までを、ツール活用デモンストレーションにて紹介しています。お客様と価値を共有し、選ばれるコンタクトセンターをめざしています。

東芝ITサービス(株)
新子安事業所 

応対品質向上にむけた取り組み

国内における東芝グループコールセンターの応対品質向上のため、「コールセンターWG」を設置しています。このWGでは、コールセンターの課題発掘調査や「東芝グループコンタクトセンター品質ガイドライン」に基づく品質チェックを2005年度から継続的に実施し、さまざまな課題の改善に取り組んでいます。

お客様サポートの向上


アフターサービス対応での取り組み

東芝グループのアフターサービス各部門が課題やCS向上事例を共有し、グループ全体でサービス向上に取り組むことを目的に、「アフターサービスWG」を設置しています。
このWGでは、サービス現場の課題発掘調査、サービスエンジニア向け教育などを実施しています。

活動事例: 保守サービスへの音声認識システムの活用


東芝エレベータ(株)では、昇降機定期点検時の報告事項を、音声認識システムを活用してメンテナンス報告書として記録できるサービスを導入しています。

点検の現場で、保守員が携帯しているスマートフォンに音声で点検内容やお客様への報告事項を発話。発声した音声データが文字に変換され、スマートフォンに搭載したアプリケーション上にテキストデータとして記録されます。メンテナンス作業中でも言葉をつぶやくだけで記録ができることから、必要に応じて正確な情報をよりスピーディにお客様にご提供できるほか、保守員の負担が減って安全性も向上します。

活動事例: 保守サービスへの遠隔支援システムの活用


東芝ITサービス(株)では、情報機器の保守サービスについて、遠隔支援システムを活用したサービスを導入しています。

保守サービスの現場でスマートグラスを通して、支援者(テクニカルサポート)と作業者(フィールドエンジニア)間で、映像・音声を共有し、きめ細かいサポートを可能としています。相互に確認ができることからミスを防止することができるほか、トラブル時には原因の早期発見、早期復旧に役立ちます。今後は活用シーンを拡大し、更なるサービス品質の向上に努めます。

従業員のCS意識向上


お客様満足向上月間

東芝グループは、2015年度に「お客様満足向上月間」を設定し、以後CSの重要性を従業員へ浸透させ、意識向上を図る施策を毎年11月に「お客様満足向上月間」として実施しています。
 

お客様満足向上をテーマとしたe-ラーニング

東芝グループ従業員を対象にしたCS向上のe-ラーニングを実施しています。2022年度は国内グループ従業員74,330人(99%)が受講し、CS向上の重要性について学びました。

 

講演会

東芝グループ従業員を対象とし、CS向上活動を積極的に取り組む企業の方や知見を持つ外部の専門家の方に、各種活動をご紹介いただく講演会を実施しています。2022年度は、「お客様から選ばれ続けるためのCS」と題して、CS・サービスに取り組む意義や本質のとらえ方について、産官学界の多方面でご活躍されている松井拓己氏(松井サービスコンサルティング代表・サービスサイエンティスト)にご講演いただきました。講演内容はお客様満足向上月間の期間中動画配信し、CSの取り組みについて理解を深めました。

 

従業員のお客様対応研修

東芝グループでは、お客様満足の重要性の理解、応対に必要なスキルの修得を目的に、従業員向けに研修を実施しています。2022年度は、「ビジネスコミュニケーションの基本」と「ビジネスメール作成の基本」の2つの研修動画を配信しスキル向上を図りました。

お客様情報の保護


東芝は、個人情報保護を早くから重視しており、個人情報保護方針のもと2000年に「東芝個人情報保護プログラム」を制定し、その後もマネジメントシステムの継続的改善に努めています。
東芝では、利用目的を明示し、原則としてお客様から同意を得て直接個人情報を取得しています。ご住所、お名前、電話番号、メールアドレスなどお客様とのご連絡やサービス提供のために必要不可欠である基本的な個人情報が大半です。保有する個人情報は、社内規程にしたがって適切に取り扱っており、また情報セキュリティ管理体制と一体になって厳重に管理しています。個人情報の取り扱いをともなう業務を社外に委託する場合には、社内の基準に則り、委託先の選定、管理を行っています。

東芝において保有する主な個人情報の利用目的は、以下のウェブサイトに公表しているとおりです。

ユニバーサルデザイン


わたしたちが暮らす社会には、年齢や性別、人種、宗教の違う人、障がいのある人など、さまざまな人たちがいます。
東芝グループは、それらの違いを超えて、誰もが快適に暮らせる社会の実現に向けて、ユニバーサルデザイン(UD)に取り組んでいます。

東芝グループ一人ひとりのユニバーサルデザインに対する理解を深め、さまざまな事業分野で人間中心設計プロセスを応用した商品やサービスの創出や、オフィスのユニバーサルデザイン化などを推進していきます。

取り組みの詳細については、東芝ユニバーサルデザインページをご覧ください。

活動事例: 災害に強いエレベーター「SPACEL」がグッドデザイン賞を受賞


東芝エレベータ(株)のエレベーター「SPACEL」が、2022年度グッドデザイン賞(公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。災害に強い安全で人に優しいエレベーターとして20年以上にわたる同一ブランドの改善進化を続ける開発姿勢と具体化力が高く評価されたものです。
本製品は、ユニバーサルデザインにも継続的に取り組んでおり、車いすの方や目の不自由な方への配慮、カラーユニバーサルデザイン認証(NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構)の画面表示、耳の不自由な方のサポート機能などを商品化してきました。新機種では移動時間が直感的にわかる画面表示、非常時に四カ国語の音声と画面表示で案内する機能、衛生的で誤操作しにくい非接触操作ボタンなどを開発しました。今後も社会の変化をとらえながら、より多様なお客様の利便性向上に向けて取り組みを続けていきます。

活動事例: 視覚に頼らないデジタル複合機のユーザインタフェース(UI)を開発


東芝テック(株)では、視覚に障がいのあるユーザが音声のフィードバックを得ながら、視覚に頼らず機能設定ができるデジタル複合機のユーザインタフェース(UI)を開発しました。汎用スピーカーをデジタル複合機に接続し、液晶画面上の任意の場所で行うスワイプ・タップ・ダブルタップの3つの操作と音声ガイダンスだけで機能設定ができます。視覚を用いないユーザ、限られた視覚のユーザ、操作を援助する晴眼者など、それぞれの方が構造を理解しやすいUIで、限られた視覚でも見やすい大きい文字、認識しやすい黄色いフォーカス色、シンプルな画面デザインとなっています。本UIにより、従来は液晶画面を用いた操作が難しいとされていた、視覚に障害のあるユーザにも、デジタル複合機をご利用いただけることを期待しています。また、今後も、ユーザのフィードバックを得ながら更なる改善を進めていきます。
このような取り組みが評価され、2022年度グッドデザイン賞(公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。

社内への教育

社内へのユニバーサルデザイン教育として、2022年度は、22年度入社を含めたデザイナー向けに高齢者疑似体験プログラム「インスタント・シニア」を実施しました。身体の動きを制限して高齢者に近い状態を体験することで、日頃、何気なく使っていたものが、使いやすく工夫されたデザインだということに気づいたり、人の気配を感じにくくなる、無言になりやすいなど、身体的、心理的なさまざまな気づきの機会としました。デザインをする上で必要となる視点を提供し、今後の活動につなげていきます。

  • ウエイトやサポーターなど9種類の器具を装着し、高齢者に近い状態を一時的に経験できる研修プログラムで、一般社団法人日本ウエルエージング協会の登録商標です。

社外とのコミュニケーション

ユニバーサルデザインの普及・啓発に向けて、東芝グループは自らの取り組みや活動の成果について情報発信するとともに、社外の企業や団体と積極的に協業・連携しています。

活動事例: 人間工学に関する無料オンラインセミナーを配信


東芝では、だれもが暮らしやすい社会の実現に貢献することをめざして、ユニバーサルデザインの実践に力を入れています。その一環としてユニバーサルデザインの基本となる人間工学に関する無料オンラインセミナー「デザイナーが教える人間工学シリーズ」を2021年度から開催し、2022年度は4件の配信をしました。人間特性に基づいた文字の読みやすさや情報のまとめ方などを解説し、毎回100名以上集まる受講者からは、「わかりやすい資料作りに役立つ」「モノづくりに必要な考え方だ」などのコメントをいただき好評を得ています。今後もこのような、ユニバーサルデザインにかかわる情報発信を継続していきます。

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