東芝の戦略調達ソリューション「Meister SRM」が支える

仕入先様と共にDX推進による調達業務の変革に挑むアイシン
調達業務高度化の狙いとは?

「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」の経営理念のもと、自動車やエネルギー関連のさまざまな技術開発に取り組むアイシン※1。近年の自動車業界を取り巻く環境変化に対応するためグループ再編やデジタルトランスフォーメーション(DX)を活用した仕事への変革を進める同社は、グループ全体の調達改革実現のため、東芝デジタルソリューションズ(以下、東芝)が提供する戦略調達ソリューション「Meister SRM™」をベースに「PEGASUS」※2を立ち上げた。アイシンはなぜ調達改革に取り組んだのか。また調達基盤強化の手段として東芝の戦略調達ソリューションを選定した理由とは。 

※1
株式会社アイシンは、2021年4月にアイシン精機とアイシン・エィ・ダブリュが経営統合して発足した自動車部品・エネルギー関連メーカー。

※2
Purchasing Edi Group & global Aisin standard with SUpplier’Sの略称

 

東芝デジタルソリューションズ株式会社
グループ調達統括部
ゼネラルマネジャー
岡山 徹 氏

東芝デジタルソリューションズ株式会社
ICTソリューション事業部
スマートマニュファクチャリングソリューション部
SRMソリューション技術担当 エキスパート
瀬戸口 達也 氏

競争力強化を目的に調達改革に着手したアイシン


株式会社アイシン
グループ調達本部 調達統括部
部長

海野 公宏 氏

アイシンはなぜ調達改革に取り組もうと考えたのですか。

アイシン 海野:
当社が調達改革に着手した時期は旧・アイシン精機時代の2019年にさかのぼります。当時はアイシングループ各社および各社内カンパニーがそれぞれ個別に調達業務を行っていました。しかし自動車業界が「100年に一度の大変革期」を迎えるなか、アイシングループが総力を挙げて競争力を高めていくには、調達機能をグループ全体で捉え、業務の効率化・標準化・高度化に取り組む必要があると考えました。これが調達改革に取り組み始めた理由です。

東芝 岡山:
東芝も競争力強化のため、分社化で分散した調達組織を本社へ統合しました。その上で経営戦略に掲げた基礎収益力強化に向けた改革の一つとして、調達改革に取り組んできました。

アイシンは調達改革を進めるにあたり、どのような課題に直面しましたか。 

アイシン 海野:
アイシンの調達改革は競争力の強化を目指すところから出発しています。それを実現するためには、組織ごとにバラバラの仕組みや考え方をまとめるとともに、紙書類に押印するといった“低付加価値業務“をなくしていくことが課題でした。それらの課題解決に取り組むのはもちろん、仕入先様に競争力を示し、現地現物でリードしていくことやグローバルソーシング(最適調達)の推進も同時に進める必要がありました。 

東芝 岡山:
先ほどの話と重複しますが、東芝の調達部門も数年前までは事業体・事業所ごとに組織が分散し、それぞれの仕事のやり方や考え方、ルールや管理方法に違いがありました。この課題を解決するために、18年に調達部門を“中央集権型”にしてコーポレート(東芝本社)に統合、「コンプライアンス徹底」と「業務効率化」のアプローチからもグループガバナンスを効かせる体制へと変革しました。

親和性と柔軟性を決め手に東芝の「Meister SRM」を導入


どのような経緯から採用に至ったのでしょうか。比較検討のポイントや導入の決め手も教えてください。 

アイシン 早川
調達業務というのは、競争力のある仕入先様から良質廉価なものを買うことが“一丁目一番地”の仕事になります。しかし1カ月に2000~3000枚もの見積書が飛び交う当社では、紙ベースの見積書を可視化・共有化して比較することは困難です。そこでまずは、見積書を電子化・ペーパーレス化して進捗を見える化できるソフトを導入することを考えました。ソフトについては複数を候補に挙げ、見積金額の分析が可能かといった機能要件を見ながら検討した結果、東芝さんの戦略調達ソリューション「Meister SRM™」を選定しました。アイシンが調達で目指す姿と親和性が高く、優れた柔軟性も持ち合わせていました。各仕入先様が使い慣れた「Microsoft Excel」で見積書を作成してアップロードできるという操作性の良さも導入の決め手になりました。

東芝 瀬戸口
アイシン様から東芝に問い合わせがあったのは19年9月のことでした。次世代調達システム構想を進めるなかで、原価企画活動の強化のために見積業務の電子化・高度化、生産準備ロスの低減、コストデータの蓄積・分析といった目指す方向性をうかがい、それに対応する機能、他のお客さまに提供した事例や使い方などを説明しました。早川様のお話にあったExcel対応については、Meister SRMの大きな特長の一つです。バイヤーが作成したExcelフォーマットに仕入先様が見積回答したものを、そのままデータとして取り扱えるので、バイヤーは複数の仕入先様から受領した見積書の比較やコスト分析が容易に行えます。またExcelフォーマットは、バイヤーのノウハウを属人化させず、コスト査定ポイントの標準化ができ、人材育成にも活用できます。このように「お客さまと一緒に育てていけるソリューション」であることが評価され、導入に至ったと考えています。 

株式会社アイシン
グループ調達本部 調達統括部
第2統括室 室長
早川 徹 氏 

株式会社アイシン
グループ調達本部 調達統括部
第2統括室 調達DX推進グループ グループ長
吉野 友喜 氏 

Meister SRMの適用領域、また契約から本番稼働までの導入スケジュールを教えてください。さらに導入を進めるにあたり、どのような苦労がありましたか。

アイシン 吉野:
導入プロジェクトが発足したのは20年1月です。今後のアイシンの業務標準ツールとして、アイシングループをグローバルへ羽ばたかせていきたいという思いを込め、「PEGASUS」という名称を付け、社内のバイヤーや社外の仕入先様に使用いただくことにしました。 

まず、9カ月ほどかけて要件定義をまとめ、アイシングループの調達業務の内容を東芝さんに理解してもらうとともに、私たちも機能や使い方を学ぶというやりとりをしました。20年秋以降、要件定義・開発の期間(標準仕様からアイシン特有の要件に合わせた機能のつくり込みを実施)を経て、21年4月にテスト運用を開始し11月までの約半年間で段階的に導入を進めました。この間、社内のバイヤーなど約500人、社外の仕入先様の営業担当者約3000人に説明会やトレーニングを30回以上開催しました。 

導入を進めるなかで難しいと感じたのは、5年先・10年先をターゲットにした標準プロセスの定義です。各々が思い描く、あるべき調達業務プロセスが出身会社や所属組織によって差があり、今の仕事のやり方と将来を踏まえ、どこまでをITで標準化すべきなのかをまとめるのに苦労しました。 

東芝 瀬戸口
プロジェクト推進においての一番の苦労は、プロジェクトが始動した直後に新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)に見舞われたことです。要件定義や開発作業はすべてリモート体制で行わなければならず、映像・音声の遅延によるコミュニケーション・ロスが発生するなどのご迷惑もおかけしました。それでも、成果物を打ち合わせ前日までに送付して事前に検証いただいたり、要求仕様通りの機能を確認するためのモックアップを作成したりといった工夫をすることにより、少しでもプロジェクトを効率的に進められたのではと考えています。 

グループ調達活動に係る業務の効率化を達成


どのような導入効果が得られましたか。

アイシン 吉野:
PEGASUSは21年11月に立ち上がったばかりなので、具体的な効果が見えてくるのはこれからだと思います。ただし、グループ調達活動を進める上での仕事のやり方、例えば見積フォーマット、依頼の仕方、図面の送り方、調達の前後工程での受け渡し方法などのルールが標準化されたことにより、調達業務が効率化されたことは間違いありません。人材育成の観点でも、調達人材のローテーションを行う際に比較的早く行うことができるメリットも得られています。

また、当初想定していなかったコロナ禍による在宅テレワークによる業務環境でも、従来通りに滞りなく調達業務が続けられています。これはPEGASUSを立ち上げ、電子化を進めたことにより、印鑑レス・ペーパーレスが実現できたからこそ達成できたと考えています。 

経営陣や社内外の利用者からはどのような評価や反応がありますか。また東芝の支援・サポート体制をどのように評価していますか。

アイシン 早川:
経営陣には調達改革の進捗について逐一報告していますが、今回の取り組みは非常に高く評価されています。社内のバイヤーや社外の仕入先様については本音ベースでのアンケート調査を進めていますが、社内からは「付加価値のない仕事が減って、人によってバラバラな仕事のやり方に一定の“形”ができた」「蓄積された調達業務データの高度な活用について、現場で話し合う機会ができた」といった肯定的な声が多数寄せられています。一方、仕入先様からは「まだ操作に慣れていない」「紙よりも自由が利かなくなった」といった戸惑いの声も一部では上がっていますが、これらについては、見積作成の習熟度を上げるためのレッスンビデオ配信や講習会を開催することで解決を図っていきます。 

東芝さんの導入支援・サポート体制については非常に感謝しています。アイシンという会社を理解しようという熱意や、リモートという不便さもある中、“One Team”でプロジェクトを成功させようという気概も非常に感じています。 

東芝 瀬戸口:
ありがとうございます!大変光栄に思います。当社側メンバーも、一体感のあるプロジェクトだとみんなが声をそろえています。アイシン様の熱意と明るく前向きな雰囲気により、高いモチベーションでプロジェクトを進められたことはとても有り難いと思います。 

脱炭素化を含むさらなる調達業務の高度化を目指す


今後さらに活用が進むことで、どのような成果を期待していますか。 

アイシン 海野:
今後はアイシンだけではなく仕入先様も含めたSE活動など業務高度化へ広げること、アイシン自身も低付加価値業務の削減時間を原価企画活動へシフトしてきたいと思っています。仕入先様についてはそれぞれの会社ごとに異なる文化・風土があるので、アイシンと同レベル感でDXを推進することは難しいかもしれませんが、仕入先様も人手不足解消のために業務変革・業務効率化が急務であり、調達業務の電子化やデジタル化をさらに浸透させる環境づくりが求められていると感じます。アイシンとしては、グループ・グローバルでの業務標準化を進める必要があります。

もう一つ、これから取り組んでいかなければならないと考えているのが、調達を含むサプライチェーン全体の脱炭素化です。とくに調達・製造・物流・販売・廃棄という一連の流れから発生するCO₂排出量を算出していくことが必要です。これについては今後、アイシングループ全体で方向性を決めていくことになると思います。

東芝 岡山:
東芝グループも脱炭素の取り組みを進めており、「環境未来ビジョン2050」のなかで50年までにカーボンニュートラルを実現するという目標を掲げています。それほど遠くない未来にCO₂は存在そのものが「コスト」になり得ます(炭素税など)。カーボンニュートラルの世界で働く未来のバイヤーは、コスト削減だけでなくカーボン削減の使命も果たすことを求められるのです。そのためには「CO₂排出量を効率的かつ正確に把握できること」が大前提ですが、サプライチェーン上の間接的なCO₂排出量を算出することは非常に難易度が高い作業です。そこで東芝では、Meister SRMを軸とした新サービスとして、仕入先様向けのポータルを立ち上げ、「サプライチェーン上の温室効果ガス排出算定・可視化サービス」の提供に向けた準備を進めています。

今後の取り組みに向け、東芝に対して何か要望はありますか。

アイシン 海野:
アイシンでは調達改革をグローバルにも広げていきたいと考えております。PEGASUSのグローバル展開に向けて、東芝さんには海外為替・各国法規制対応なども含め、引き続き手厚いサポートをお願いしたいです。

東芝 瀬戸口
グローバル展開については、ソリューションベンダーとして後方支援してきた数多くの実績があります。アイシン様に対しても可能な限りサポートしていきたいと考えています。東芝の戦略調達ソリューションはグループ企業の調達業務を標準化・高度化できる「変化に強いソリューション」と自負しているので、為替や税制対応などグローバル展開で必要となる機能にも柔軟に対応していきたいと考えています。

本日はありがとうございました。

SOLUTION FOCUS

戦略調達ソリューション「Meister SRM™」

サプライヤとの接点プロセス全体にわたるコミュニケーション基盤による戦略調達の実現。
多くの製造業はグローバル市場で勝ち抜くために、戦略的な調達イノベーションに取り組んでいます。
日々収集される部材コストや取引先などのサプライヤ情報などを一元管理して有効に活用し、
調達コスト、遵法リスク、生産活動中断リスクを低減するサプライヤコミュニケーション基盤。
サプライチェーンを構成する生産拠点の位置情報を得て迅速に影響を把握できます。

※2022年3月29日~2022年4月28日に日経電子版広告特集にて掲載。掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます。
記事内における数値データ、社名、組織名、役職などは取材時のものです(2022年3月)。

COMPANY PROFILE

会社名
株式会社アイシン

代表者
取締役社長 吉田 守孝

本社所在地
愛知県刈谷市朝日町二丁目1番地

事業内容
自動車部品、エネルギー・住生活関連製品の製造販売

URL
https://www.aisin.com/jp/