「東芝ラグビーの遺伝子」とは何か? リーチとディアンズが語った、東芝ブレイブルーパス東京のハードワーク、レジェンドの存在。

東芝ブレイブルーパス東京のリーチ マイケル(右)とワーナー・ディアンズ

Tie‐up NumberWeb

text by 生島淳 Jun Ikushima
photo by Kiichi Matsumoto

 今年1月に開幕した「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE」(以下、リーグワン)。東芝ブレイブルーパス東京は選手たちの体を張ったプレーが徐々に実を結ぶようになり、かつて黄金時代を築いた東芝のハードワークの遺伝子が甦ってきたように見える。FWの中心として活躍しているのが、33歳のリーチ マイケルと19歳のワーナー・ディアンズだ。ブレイブルーパス、そして日本代表の顔でもあるリーチと、これからの日本ラグビー界を背負うディアンズの二人が、今季ここまでの戦いを語り合った。

――惜敗の試合が続きましたが、最近はチーム状態も上向いているように見えます。1月から3月上旬まで、振り返って手応えはいかがですか。

ディアンズ まずは、ラグビーができて楽しかったですね。ワイルドナイツ戦(2月19日、●18-30)、シャイニングアークス戦(2月26日、●21-22)は負けましたけど、ハードワークが表現できたし、それがイーグルス戦(3月5日、〇21-18)の逆転勝ちにつながったと思います。

リーチ トッド・ブラックアダーHCが就任して3季目になり、HCがやりたいことをみんなが理解し、一貫性のあるプレーができるようになってきました。負けた試合から得るものも多くて、うまくいかなかったことをチームとして勉強しています。これから東芝ブレイブルーパス東京は、どんどん強くなると思いますよ。

――ディアンズ選手は去年まで高校生でした。リーチ選手から見て、どうですか。

リーチ 入団する前から「絶対に化ける」と分かっていました。19歳とは思えないプレーが毎週見られて、将来、すごい選手になるのは間違いないです。

ディアンズ そんなことないです(笑)。まだまだです。

リーチ ワーナーは身長が201cmもあるのに手先が器用。当たりも強くて、ラインアウトもうまくて、速いパスも放れるし、日本語も話せる。世界的に見ても、彼のようなLOはなかなかいないです。これからもっと身体が大きくなり、ゲームの理解度も高くなって、毎週のように成長していくと思います。

――ディアンズ選手にとって、リーチ選手はどんな先輩ですか。

ディアンズ 様々な経験をされている方なので、いろいろ吸収したいと思っています。普段から分からないことがあれば質問していますし、親身に接してもらっています。試合前の準備、試合中のリーダーシップ、試合後のリカバリーまで、見ていてすべて勉強になります。

リーチ 高校の試合は60分だから、ワーナーにとってリーグワンの80分の試合はキツかったんじゃない?

ディアンズ 開幕のサンゴリアス戦(1月8日、●46-60)で、人生で初めて80分間フルの試合に出ました。トライも取れましたけど、テンポの速い試合だったので本当にキツくて。70分くらいから、ずっと足が攣っていました。

リーチ 今では80分にも慣れてきて、どんな相手にも全然負けてないよ。試合時間以外に、高校からブレイブルーパスに入って最も違いを感じたことは何だった?

ディアンズ コンタクトのレベルですね。それまで高校生相手だったのが、身体が大きくて強いプロ選手を相手にするようになり、当たっても「動かない」なと。自分がボールキャリーしたり、タックルをしたりする時も、パワーを出し切らないと対抗できないです。

――リーチ選手は東海大を経てブレイブルーパスに入りましたが、ディアンズ選手のように高校から当時のトップリーグに進もうとは考えなかったんですか。

リーチ 僕にとっては、東海大で得たものがすごく重要でした。高校からトップリーグは無理でしたね。大学でスキルやタフさも学んだし、日本で大切にされている根性練習も経験できた。でも、ワーナーはすぐにブレイブルーパスに入って正解です。

――お二人は昨年11月の欧州遠征で、日本代表でもチームメイトとなりました。

ディアンズ ワールドクラスの選手たちの練習や準備を間近で見ることができたので、良い機会になりました。初キャップとなったポルトガル戦は終盤まで接戦で、終了間際に自分が投入されたんです。最初のプレーが、いきなりゴールラインを背負ってのスクラム。これは緊張しましたね。

リーチ 日本代表にもいい選手がたくさん入ってきているので、僕も頑張らないと。ブレイブルーパスにもワーナーだけでなく、楽しみな若手が多いんですよ。今季からLOのジェイコブ・ピアス、天理大で大学日本一になったSOの松永拓朗が加入しました。来季からは慶応大でキャプテンを務めたHOの原田衛、東海大の後輩でPRの木村星南、明治大からCTBの児玉樹が入ってきます。ワーナーはブレイブルーパスでの生活を楽しんでいる?

ディアンズ 楽しんでいますよ。コロナ対策で先輩たちとのコミュニケーションの機会は限られていますが、いつもみんなでラグビーの話をしていて、雰囲気が良いなと思います。

リーチ 僕らベテランは、いい土台を作って彼らにバトンタッチしたいです。そのためには年齢の壁を作らないことが大事。若い選手たちにとって、僕は日本代表のキャプテンだったので厳しいイメージがあるかもしれないけど、僕の方からその壁を取り払って話すようにしています。

――リーチ選手は日本のレジェンドですが、ブラックアダーHCもオールブラックスのキャプテンを務めたレジェンドですね。

ディアンズ ブラックアダーHCからは、常に意図のあるプレーを求められます。意図があってミスしたら仕方ないけど、深く考えずにプレーしてミスしたら厳しいです。

リーチ 僕にとってブラックアダーHCはニュージーランドの地元が一緒で、小学生の頃から憧れていました。現役時代は精肉工場で働きながらプレーしたり、名門クラブの緩んでいた空気を先輩たちの反発を恐れずにガラッと変えたり、苦労もされていて、人生の話しも面白い。ブレイブルーパスには、最適の人材です。

――いいメンバー、いいスタッフに恵まれていますね。さて、今季の目標はどこに置いていますか。

ディアンズ とにかく試合に出続けることです。毎週、いいパフォーマンスを出して、メンバーに選ばれ続けたいですね。

リーチ 優勝です。毎年、優勝するのは本当に難しいと感じますけど、今季のブレイブルーパスには優勝できる力があります。どれだけ1試合、1試合を大事に戦えるかがカギになってくるでしょうね。

――新たにリーグワンが開幕して、東芝のタフなチームカラーが戻ってきたように思います。実直でたくましく、泥臭く、ハードワークをするブレイブルーパス。東芝の企業風土ともマッチして、多くのファンから応援されるチームになっているのではないでしょうか。

リーチ ファンの方にも、東芝に期待されているプレーをお見せできているという手応えがあります。あとはギリギリの勝負になったときに、ハードワークの精神をどれだけ出せるか。試合に勝ちにいくのはもちろんですが、まずはそういう東芝らしさ、ブレイブルーパスらしさを、毎試合出したいと思っています。

◆プロフィール

リーチ マイケル

1988年10月7日、ニュージーランド生まれ。札幌山の手高から東海大を経て、2011年から東芝ブレイブルーパス東京でプレー。2014年から日本代表キャプテンを務めた。NO.8/FL。188cm、115kg。

ワーナー・ディアンズ

2002年4月11日、ニュージーランド生まれ。流経大柏高から2021年に東芝ブレイブルーパス東京に加入。リーグワン開幕戦で歴代最年少トライを決めた。LO。202cm、124kg。

東芝は、東芝ブレイブルーパス東京を応援しています。

東芝ブレイブルーパス東京公式ページ
https://www.bravelupus.com/