TECHNO-FRONTIER 2019 第37回 モータ技術展[展示会・イベント レポート]

展示会レポート

本展示会では東芝グループブースにご来場いただき、誠にありがとうございました。

今回の展示の中から東芝グループ各社のトピックスをご紹介します。

(テキスト)東芝デバイス&ストレージ株式会社は、車載や産業などさまざまな分野に向けた最先端の半導体技術をデモンストレーションにてご紹介しました。車載用モータドライバIC 3in1パッケージ技術については、自動車の電動テールゲートのリファレンスモデルを展示。コントローラチップとMOSFETをワンパッケージ化することで、小型化に貢献。様々な場所・用途に組み込みができ、高精度な電流制御や過熱・過電流・動作異常検知を可能にしました。展示ではそのモニタリングの様子をパネルで表示しました。

民生・産業用モータドライバICでは、Closed loop speed control対応チップを評価ボードやパッケージサンプルと共にご紹介しました。外部負荷の影響を受けずに一定速度のモータ制御が可能なので、サーバの空冷ファンなどに利用すれば、稼働状況によって、外部の風などによるトルク負荷に変化があっても一定の回転数を保つことができ、システムを安定動作させます。実際にその様子をモデル展示とタブレットのモニターで実演いたしました。

モータ制御用マイコンについては、インバータ化に向けて幅広いラインアップでご提案をしています。例えばロボティクス分野においては、小型化によってモータ各所のすぐ近くに制御基板を組み込むことが可能で、ノイズの影響を受けにくく誤作動を防ぐことができます。ACサーボは従来白物家電向けなどでは速度制御に主軸を置いていましたが、ロボット分野で求められる正確な位置制御に対応すべく機能向上した様子を、ロボットアームが振動制御でブレなく動作・停止をするデモンストレーションで展示しました。

このほか、大きさやプロペラ数など多彩な形状・用途で広がり続ける産業用ドローンに向けて、安全・安定的な飛行に欠かせない高機能制御を実現する「双方向通信ESCモジュール」や、無接点で既存のメカニカルリレーよりも小型・長寿命のため産業機器や車載機器などの高機能化・小型化には欠かせない「フォトリレー、フォトカプラ」、低耐圧品から中高耐圧品まで幅広い構成とパッケージラインアップをご提供する東芝MOSFETの中から、優れたトレンチプロセス技術を用いた最新世代パワーMOSFETおよび当社パワーMOSFETを使用した1.6kW スイッチング電源(80Plus Platinum級)リファレンスボードを展示いたしました。

東芝情報システム株式会社の「analogramトレーニングキット」は、実現したいアナログ回路を瞬時にデバイスとして構成できるプログラマブルアナログデバイス「analogram」を、電子回路の学習用として専用ソフトウェア、回路書き込み/評価ボードなどと同梱したキットです。発売3年目となる今回、教育の専門家による監修のもとに制作したスタートブックが加わり、従来のテキストでは専門用語が分からなかった初心者でも、すんなりと学習に入れる構成のキットとなりました。
マイコンの学習結果を瞬時にanalogramに書き込むことで、ミニ扇風機やスピーカーなどに音・光・動作をアウトプットできる様子を、デモ展示いたしました。

このほか、生産終了となったLSIを再生する「ディスコンLSI再生サービス」についても、今年も展示でご紹介しました。

東芝産業機器システム株式会社の今回の注目商品は、2019年10月発売予定の高機能インバータです。
従来は汎用的な機能だったインバータについて、東芝の長年のノウハウから、例えばポンプ用、コンプレッサ用、昇降機械用など、それぞれの用途に応じた機能を解析・開発・設計したことが大きな特長です。これによって各用途で無駄なく最適な高効率運用が可能になります。また、IoT対応として、イーサネットオプション付きの機種はサーバ機能を内蔵。インバータの動作状況や設定が遠隔からモニタリング・設定変更ができるほか、インバータを介して接続した各機器のデータ収集も可能です。オプションでQRコード、動画解説はは国内初の機能となります。

国内トップクラスの高効率を誇る磁石レス同期リラクタンスモータも展示しました。永久磁石モータと同等以上の効率を達成しながら、永久磁石モータのデメリットといえる磁石調達性、発電性、メンテ性も改善されています。試作機においては、日本国内標準の効率クラスであるIE3を大きく上回るIE5相当の高効率を達成しました。また磁石によるレアアースの消費もないため、地球環境保全にも貢献します。

これからも、幅広い製品・サービスラインナップで時代の要請に応える東芝のモータ、デバイス技術にご期待ください。