ニュースリリース

「東芝グループ環境未来ビジョン2050」を策定

2030年度までに温室効果ガス排出量50%削減を目指し、排出量ネットゼロ社会の実現に貢献
2020年11月10日

 当社グループは、脱炭素化や循環経済への対応などグローバルな視野に立った新たな長期ビジョンとして、「環境未来ビジョン2050」を策定しました。

 当社グループはこれまで、2007年に「地球と調和した人類の豊かな生活」をあるべき姿として描いた「環境ビジョン2050」を策定し、その実現に向けて活動を推進してきました。一方で、近年、パリ協定(*1)をはじめとする気候変動や資源の枯渇などの社会課題解決に向けた世界規模の動きや、当社グループの事業ポートフォリオの転換など、当社グループを取り巻く状況は変化し続けています。当社グループは、持続可能な社会の実現に貢献し、かつ企業として持続的な発展をめざすためには、長期的な視点で世界の潮流に対応しながら、豊かな価値を提供し続けていくことが重要と考えています。
 新たに策定した「環境未来ビジョン2050」では、こうした状況の変化に対応するため、2030年度までに当社のバリューチェーンを通じた温室効果ガス排出量を50%削減(2019年度比)し、2050年に向けて社会の温室効果ガス排出量ネットゼロ(*2)化への貢献を目指す等、内容を発展させました。

 「環境未来ビジョン2050」は、「豊かな価値の創造と地球との共生をめざした環境経営を通じて持続可能な社会の実現に貢献する」ことを目的とし、持続可能な社会、すなわち脱炭素社会・循環型社会・自然共生社会の実現をめざします。2007年の前ビジョン策定時から取り入れている「バックキャスティング(*3)」の考え方を継続し、「気候変動への対応」「循環経済への対応」「生態系への配慮」の3分野への取り組みを推進します。

 「気候変動への対応」では、2050年に向けて社会の温室効果ガス排出量ネットゼロ化に貢献するため、2030年度までに当社のバリューチェーンを通じた温室効果ガス排出量の50%削減(2019年度比)をめざします。なお、2050年度までには80%以上削減(2019年度比)することを目標としています。
 これはパリ協定に基づく日本の削減目標と整合する目標であり、パリ協定が描く未来の実現に向けて必要不可欠な取り組みであると考えています。当社グループにおける省エネ設備への投資や再生可能エネルギー導入拡大に加え、脱炭素・低炭素エネルギー技術や省エネ製品・サービスなど、社会における温室効果ガス削減に貢献する製品・サービスの創出や、適応策に関連したビジネスの推進にも注力していきます。2030年度の温室効果ガス削減目標については、科学的な根拠に基づく目標としてSBT(*4)の認定取得をめざしています。

 「循環経済への対応」では、事業活動と製品・サービスの両面で資源の有効活用を進めるとともに、業界団体、行政、他企業などとの積極的な連携のもと、循環経済型ビジネスモデルへの転換を図ります。具体的には、事業活動における廃棄物量の抑制や使用済み製品・部品のリサイクルに取り組むほか、当社の注力ビジネスであるデジタル技術を活用したソリューションなどを通じ、循環経済型ビジネスモデルの構築をめざします。

 「生態系への配慮」では、世界各国の化学物質管理に関する政策・規制への対応や、水資源の適正な管理、事業所内外での生物多様性保全に向けた活動を推進することにより、自然と人間が調和して暮らし、生態系からの恵みを享受し続けられる社会の構築に貢献します。

 これらの取り組みによって製品・サービスのライフサイクル全体における環境負荷低減を進め、持続可能な社会の実現に貢献します。そして、事業と環境経営の一体化をめざし、現在推進している「東芝Nextプラン」が示すビジネス戦略と整合する形で、注力事業における環境貢献施策などを積極的に展開していきます。また、東芝グループの経営理念「人と、地球の、明日のために。」の考えに基づき、「豊かな価値の創造」と「地球との共生」の両立をめざして、環境経営をより一層深化させていきます。

 東芝グループは、インフラサービスカンパニーとして社会に提供する信頼性の高いサービスと最先端の技術で、気候変動をはじめとするさまざまな社会課題解決に貢献し、さらなる企業価値向上を図ります。企業として持続的に発展するため、倫理的で透明性のある経営基盤の構築にむけて、E(環境)S(社会)G(ガバナンス)の強化に努め、さまざまなステークホルダーの皆様と連携しながら、豊かな価値を創造し、提供してまいります。そして、SDGsの特に10のゴールに注力し、各ゴールに対するポジティブ・インパクトの最大化とネガティブ・インパクトの最小化に取り組み、すべての企業活動を通じてSDGs達成に貢献します。

 

関連ページ
・環境活動ホームページ「環境未来ビジョン2050」https://www.toshiba.co.jp/env/jp/vision/vision2050_0_j.htm

 

*1 国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択された、温室効果ガス排出削減に向けた国際枠組み。
世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃未満に保ち、1.5℃に抑える努力をすること、そのために温室効果ガスの排出を今世紀後半に実質ゼロまで下げることを目標としている。

*2 省エネ製品や脱炭素・低炭素エネルギー技術の提供で温室効果ガス排出量を抑制し、再生可能エネルギーや二酸化炭素の回収技術を活用することで、温室効果ガス排出量を正味ゼロにすること。

*3 未来のあるべき姿を想定し、そこから振り返ってその実現手段を考える方法。

*4 SBT(Science Based Targets):産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えるために、企業が中長期的に設定する科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減目標。SBTイニシアチブによって認定される。