ニュースリリース

スペイン・マドリッド州で可搬式蓄電池システムの実証実験を開始

電力大手ガス・ナチュラル・フェノーサ社と共同実証
2015年09月29日

 

蓄電池の写真
実証実験で使用する可搬式蓄電池システム

 当社は、スペイン・マドリッド州のアルカラ・デ・エナレス市において、スペインの電力大手ガス・ナチュラル・フェノーサ社(以下、GNF社)と共同で、GNF社の商用電力系統を使用した蓄電池システムの実証実験を本日開始しました。

 本実証実験は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発」に採択された「系統安定化用の低コスト高出力蓄電システムの技術開発」プロジェクトです。当社とGNF社が2013年12月に共同契約を締結し、可搬式蓄電池システムの設計、製造、据え付けを経て、本日、運開式が開催され、実証実験が開始されました。

 本実証実験では、アルカラ・デ・エナレス市内の変電所に当社のリチウムイオン二次電池「SCiBTM」を搭載した可搬式蓄電池システム(出力500kW、容量776kWh)を設置します。変電所が供給する電力需要の変動を蓄電池システムの充放電によって平滑化することにより、一時的な電力需要の増加に対しても変電所の配電能力を超えないように抑制するなど配電系統の安定化への貢献効果を検証します。

 スペインでは再生可能エネルギー比率が30%を超え、不安定な系統が課題となっており、需要変動にあわせた安定した系統構築のニーズが高まっています。本ニーズに対応すべく、当社とGNF社は2017年まで実証実験を継続し、さらなる技術改良を進めていきます。

 当社は米国、英国、イタリアなど海外において電力の安定供給に向けた蓄電池システムを納入しています。当社は今後も、本実証で得た知見も踏まえ、電力供給の安定化を通じた再生可能エネルギーの導入促進に貢献すべく、大規模蓄電池システムの普及拡大に向け、グローバルに事業を展開していきます。